横浜市会議員選挙に初立候補した時は一日200軒に挨拶回り

私自身の中にも、そうした気質が残っています。横浜市会議員選挙に初めて立候補した1987年、38歳だった私にとっては文字通り「ゼロからの出発」でした。とにかく、まず名前と顔を覚えてもらおうと、数カ月にわたり、一日200軒ものお宅に丁寧に挨拶回りをしました。

わずかな時間も惜しいのでお昼はそばを大急ぎで手繰って済ませるのが常でしたが、あるとき立ち寄ったそば屋でそばを食べながら気を失いかけたこともあります。毎日、朝から晩まで歩き続けるのでいつも靴がボロボロで、見かねた支援者の方に靴をプレゼントされたこともありました。

やると決めたら、がむしゃらに頑張りすぎてしまうのが私たちの世代なのです。

この世代の人たちの中に、若手の部下に向き合う際に、つい厳しくなってしまう人が時々いるのは、もしかすると「自分たちがひたすら頑張り抜いて再建してきた戦後の日本や会社を、次に続く世代がしっかり引き継いでくれるのだろうか」という不安の裏返しなのかもしれません。

ただ私は、若い世代へのそうした不安は、全く当たらないと確信しています。私自身、日頃からベンチャー企業やNPO、メディアや官界で活躍する若い世代の方々と幅広くお付き合いさせていただいていますが、お会いして意見交換するたびに、政策判断に役立つ刺激やアイデア、問題提起を数多く頂戴しています。

「私が若い世代を高評価しているのは日頃から考えを聞いているから」

あなたを含め、平成、そして令和の時代に活躍される皆さんは、しなやかで、したたかな世代です。間違いなく、これからの日本経済と社会を支え、牽引し、より発展させていくことができる。

私が自信をもって若い世代の皆さんの潜在能力を高く評価できるのは、常日頃から若い人たちの考えを聞き、問題意識を直接受け止めているからに他なりません。つまるところ、あなたにとっても、また、若い世代への根拠なき不安に囚われている(かもしれない)上司の方にとっても、大切なのは、上司に無理やり『失敗の本質』を読ませることではなく、普段からのコミュニケーションなのだと思います。

コミュニケーション不足により上司とあなたの間に認識のギャップや軋轢が生じているのだとすれば、双方の心がけと行動によって、それを解消することが先決です。