さらに、ピーナッツに含まれる食物繊維には、「血糖値スパイク」と呼ばれる、食後の血糖値の急上昇を抑える効果もある。ピーナッツを食べて食物繊維を摂取することは、腸の病気を防ぐだけでなく、血糖値コントロールにも役立つのだ。

加えて、血管の善玉コレステロール値を上げ、悪玉コレステロール値を下げて血管を守るとされ、日本人の死因の第3位である心臓・血管の病気のリスクを40%以上減らすともいわれている。また、脳の血管を広げ、脳の認知機能を維持・サポートする効果も。つまり、ピーナッツは超長寿社会に生きる日本人が、年齢を重ねても健やかに過ごすための栄養が詰まった食品の一つといえる。

ピーナッツ
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ピーナッツバターで体のサビ付きやインフルエンザを予防

ピーナッツはポリフェノールが豊富で、抗酸化作用があることもわかっている。私たちの体は、偏った食事や不規則な生活、精神的ストレスなどによって活性酸素やフリーラジカルが過剰につくられることで酸化していくが、これを防ぐには、抗酸化作用のある食品を摂ることが重要だ。研究によると、私たちの体は午前中に酸化しやすいことが明らかになっている。そのため、午後の酸化ストレスに備えて、朝食の時間に抗酸化作用のあるピーナッツを摂取するといいだろう。

さらに、ピーナッツに含まれるポリフェノールは、加熱することで量が増える。ピーナッツそのものよりピーナッツバターを使えば、そのまま調味料として炒め物や煮物などに加えるなど簡単に加熱できるのでおすすめだ。

また、これから冬にかけて、新型コロナウイルスだけでなく、インフルエンザや風邪などの感染症が気になる時季。ピーナッツの薄皮には、インフルエンザの活性を抑え込む成分が含まれている(図表2)。そのため、薄皮までペースト状にしたピーナッツバターには、インフルエンザウイルスから体を守ってくれる働きがある。ただし、FDA(米国食品医薬品局)が定める「ピーナッツバター」とは、原料にピーナッツが90%以上使用されているもののみを指し、加糖したもの、薄皮をむいてペーストしたものは含まれないので注意したい。

ピーナッツ薄皮抽出物のインフルエンザウイルスに対する効果
資料提供=アメリカンピーナッツ協会