コツ② 能力の高い女性にはライフイベント前にタフな仕事を
ハイポテンシャルな女性には、結婚や出産、介護など、重要なライフイベントの前に、なるべくタフな仕事、つまり「チャレンジングだが、十分なサポートさえあればできる」というレベルの仕事を与えることをお勧めしています。
結婚や出産、子育て、介護などのライフイベントが起きたときに、女性が仕事を辞めずに続けられるかどうか、大きな力になるのは、仕事に対するモチベーションの高さです。仕事がおもしろくなかったり、自分は会社に必要とされていないと思うと、プライベートで変化があったとき、「無理に仕事を続ける必要はない」「家族の方を大事にすべきかも」と考えてしまう可能性があります。
仕事を続けるかどうか迷ったときに「やっぱり仕事を続けたい」と思えるモチベーションを持つには、「自分は周りから期待されている」「ここで仕事をしていれば成長できる」「私にしかできない仕事がある」と思えなければいけません。だからこそ、特に能力の高い女性には、あえてタフな仕事を任せるべきだと思うのです。
時々、「女性に優しい企業」といった言葉を聞きますが、この言い方は誤解を招くので良くないように思います。「女性が働きやすい」と言いたいのだろうと思いますが、女性に優しくし過ぎるのは良くありません。例えば、子どもがいる女性に対して「子育てで大変だろうから、大変なプロジェクトを任せるのはやめてあげよう」といった、間違った配慮。これは本当の優しさではありません。女性を、挑戦の機会から遠ざけてしまうことになるからです。
女性の側は、自分が必要とされているという実感が得られませんし、仕事におもしろさややりがいも感じられなくなってしまう。それに、男性社員と同等のレベルのタフな仕事、タフな挑戦、タフな評価をしていかないと、管理職にふさわしい女性社員もなかなか生まれません。