緊張する仕事を乗り切るにはどうすればよいか。元日本テレビアナウンサーの藤井貴彦さんは「緊張の正体を書き出し、最悪のシチュエーションを想定することで開き直りが生まれ、『運命よ、かかってこい!』という不思議な自信がわいてくるものだ」という――。

※本稿は、藤井貴彦『伝える準備』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の一部を再編集したものです。

仕事日記の始まり

日記は自分自身へのインタビュー

私が日記を書き始めたのは、アナウンサーとして日本テレビに入社した直後でした。

新人アナウンサーの仕事内容は、部内の雑用も含め多岐にわたります。

当時はまだ、社内のどこでも煙草が吸えたこともあり、朝一番は灰皿の片づけから始まります。その後、コーヒーをドリップし、冷蔵庫の飲み物を補充し、電話も受けました。部内のテーブル拭きなどなど、今では懐かしい駆け出しの仕事もたくさんありました。

そこに、新入社員としての人事研修、発声練習、ニュース読みの練習、先輩の放送チェックなど、本来のアナウンサーの仕事が重なります。

さらに、新人アナウンサーの密着取材、番組PRの録音、夜のスポーツニュースの生放送と、まさに息つく暇もなく時間が過ぎていきました。一日として同じ仕事がない中、自分が仕事に溺れてしまっているのが、はっきりとわかりました。

「このままでは仕事に自分が振り回されてしまう」と危機感を持ち、まずはその日一日の仕事内容を書き出してみた、これが私の仕事日記の始まりです。

机の上のペンとスパイラルノート、ラップトップ
写真=iStock.com/baona
※写真はイメージです

日記で自分自身と向き合う

面白いことに、当時の日記を振り返ると、書いた字すら疲れていました。

その日の仕事内容を書き出すだけでしたが、そのエネルギーすら残っていなかったのだと思います。

しかし、仕事内容を書き出す作業を続けていくうちに、その日一日の自分の行動が整頓できるようになったのです。

仕事の種類は多くこなしていましたが、アナウンサーとして成長できる仕事の割合があまり高くなかった。

もっと時間を有効に使えたのではないか、本当はどんな一日にしたかったのか、日記を書きながら自分に問いかけていました。

それはまさに「自分自身にインタビュー」をしていたのだと思います。

1カ月、2カ月と続けていくうちに、仕事内容の列挙だけではなく、自分がどうしたかったのか、その日の自分がどう感じていたのか、を書いていくようになりました。

もちろん、うまくいかなかったことを誰かのせいにしたり、仕事がうまくいったことを自らほめたりと、素直すぎて恥ずかしい文章も多くありました。

それでも、自分自身と向き合うことで確実にその日のストレスをリセットできていました。

今年で日記は27冊目。その日のうちに書くことができなかったとしても、日曜日までにはその週の日記を書き上げてきました。

私は日記で自分をクールダウンさせ、次への準備を整えていたのだと思います。

本章からは、私の言葉を支える日記の習慣と、そのメリットについてお伝えします。

何気なく書き始めた日記がその後、頼もしい味方になっていきます。

Q あなたが習慣にしていることはありますか?