SNS発信を続けるコツ

ブログやSNSにはPV数、リーチ数、フォロワー数といった「数字」が表示されます。それが日々増えたり減ったりすると気になってしまい、ついつい何度も見てしまいます。「1カ月以内に2000フォロワーを獲得する」とか「月間10万PVをめざそう」などと高い目標を掲げても、たいてい思うようには増えません。

徳力基彦『「普通」の人のためのSNSの教科書』(朝日新聞出版)
徳力基彦『「普通」の人のためのSNSの教科書』(朝日新聞出版)

そうするとおもしろくなくなり、発信をやめてしまう人がいます。

ビジネスパーソンにとってのSNSの基本は「自分のためのメモ」です。数字に関心を寄せすぎないようにしましょう。

数字に一喜一憂するよりも、コミュニケーションできる同じ業界の仲間がいるかどうか、日々ウォッチして勉強をさせてくれる師匠を見つけられたかどうかといった点に着目したほうが、よほど仕事のためになります。

仲間や師匠を得るためには、自分の価値観や興味、意見を積極的に出すような発信をしましょう。

すると自分と似た立場にある人、同じ業界や近い業界の人、同じ価値観の人が集まってきてくれます。それはほんの数人であっても、リアルのつながりと変わらない、大きな価値のある人たちです。

量より質、数より熱量を重視しよう

コミュニケーションのないフォロワーがたくさんいるよりも、はるかに質のよい、熱量のある価値です。交流ゼロの無言のフォロワーより、自分に興味をもってくれてコミュニケーションができる仲間を増やす意識で発信していきましょう。ときには思いがけず発信がバズって、PV数が激増する経験をする人もいるかもしれません。たくさんの人に読まれるとコミュニケーションが増える可能性があり、それはいいことなのですが、こわいのはその後です。同じPV数が得られないと満足できなくなってしまうのです。

でも、ぼくらビジネスパーソンが発信する目的は、PV数ではなかったはず。そのことを思い出し、発信の原点に戻ってきてください。

「自分はなんのために発信をはじめたんだったっけ?」とキャッチコピーや決意表明を思い出しましょう。

そしてあなたの発信を読んでくれた1PV、1フォロワーを、単なる数字と思わず、「一人」と出会ったと認識するようにしましょう。リアルで一人、友人が増えたらそれは大きな出来事だと思います。ネットも同じです。一人でも数人でも、自分のおしゃべりを聞いてくれて、コミュニケーションをとれる人がいるのは、それだけですばらしいことではないでしょうか。

写真=iStock.com

徳力 基彦(とくりき・もとひこ)
noteプロデューサー、ブロガー

1995年よりNTTにて法人営業やIR活動に従事した後、IT系コンサルティングファームや、アリエル・ネットワークでのブログを活用したマーケティング、PR業務に従事。2006年、アジャイルメディア・ネットワーク設立時からブロガーの一人として運営に参画。代表取締役社長や取締役CMOを歴任し、2019年6月の取締役退任後もアンバサダープログラムのアンバサダーとして、ソーシャルメディアの企業活用についての啓発活動を担当。note株式会社では、noteプロデューサーとして、ビジネスパーソンや企業におけるnoteやブログ、ソーシャルメディアの活用についてのサポートを行っている。