脳の神経細胞のせいで、相手が「嫉妬の発作」を起こす

私は、ずっと「調子に乗ったら悪いことが起きる」というのは迷信で、私の思い込みだと思おうとしていたのですが、それは間違いでした。カウンセリングの仕事をするようになって、私と同じように「うまくいったあと、必ず嫌なことが起きる」人がたくさんいることがわかってきたのです。

それまで全然勉強しなかった人が勉強するようになったら、急に周りがものすごくひどいことを言ってくる、というケースもありました。家族も本人が勉強ができるように願っていたのに、わけがわかりません。

聞いてみると、「周りの人が嫉妬の発作を起こして、破壊的な人格になっているんだ!」ということが見えてきます。

「自分よりも下の立場なのに、自分よりもおいしい思いをしている」という条件があると、脳内で電気が乱れて発作を起こします。「嫉妬の発作」の場合は、破壊的な人格に変身して、「嫉妬の対象になっている相手を破壊する」のが特徴です。そして、破壊的な人格になって、「ひどい言動」や「足を引っ張るようなこと」を意図せずにやってしまうのです。

こちらが「いいことがあった」ということを前面に出していないのに、なぜか相手に伝わってしまって相手が発作を起こします。

脳には「ミラーニューロン」という神経細胞があって、「相手の脳の状態をまねする」という性質があります。「話していないことがなぜか伝わってしまう」のは、脳内の「ミラーニューロン」の働きによって、無線LANのように「脳のネットワーク」で情報がやり取りされているからです。

嫉妬の電流には「感電しない工夫」が必要

嫉妬の攻撃は、もはや避けることはできないのでしょうか? ここでひとつ私の昔話を聞いてください。

学生時代に看板屋でアルバイトをしていて、天然ボケの先輩から「おう! 鉄骨を溶接するから、ちょっと押さえてくれ!」と頼まれたことがありました。鉄骨の溶接は、鉄骨に電極をつけることで、溶接棒を当てたときに大量の電気が流れて「バチバチバチ!」と溶接棒が熱で溶け、くっつく仕組みになっています。だから、鉄骨を素手で押さえたら感電してしまうのです。

それを知らなかった私は、「バチバチバチ!」という瞬間に素手で鉄骨を触ってしまい、「死んだかも!」というぐらいの痛みを味わいます。天然ボケの先輩は「ダメだよ! 大嶋君、ちゃんと電流を絶縁できる手袋をつけなきゃ!」と、痛みで悶絶している私に言います(先に言ってよ!)。

さて、ここで何が言いたいかというと、「絶縁体」の話です。世の中には電気を通すものと通さないものがあって、電気を通すのを防ぐ「絶縁体」が存在します。人間の場合は、電気を通してしまうから、「ビビビッ!」と感電してしまいます。つまり、感電しないためには、絶縁体である「ゴム手袋」をはめるような安全策が必要なわけです。

この話を思い出して、もしかしたら嫉妬の電流が流れてこないようにする「絶縁体」があるのかもしれない、と考えていました。そんなときに「あ! 『孤独』が嫉妬の電気を防ぐ絶縁体になるんだ!」ということに気がつきます。