自分の「想像力の豊かさ」を認めよう
自分の「想像力の豊かさ」を認めると、他人から足を引っ張られることがなくなり、自由に想像力と才能を発揮できるようになります。
「想像力の豊かさ」を認める方法はいたって簡単で、自分の想像力を決して否定しなければいいだけ。「あの人は私の才能に嫉妬して足を引っ張っているのかもしれない」と想像したら、その想像力の豊かさをちゃんと見てあげます。
自分の才能も想像力も否定しないで見てみると、想像力の触手は足を引っ張ってくる人の方向に伸びていきます。「この人はなぜ足を引っ張ってくるのか?」というところまで想像力の手が伸びていき、「なるほど! あの人は孤独だから、私に置いていかれないように足を引っ張っているんだ!」ということが見えてきます。
想像を「私の勘違いかもしれない」と否定していたときは、その想像力の触手が相手まで伸びていかないので、相手のことがよくわからず、「わからない相手はモンスター」と思って、恐怖の対象になります。モンスターに対しては、「ひたすら自分の存在を隠して相手が過ぎ去るのを待つしかない」という受け身な態度にしかなりません。
ところが、ちゃんと想像力の豊かさを認めて、その手が相手に伸びていったときに、「相手も同じ人間で、孤独におびえているだけなんだ」という相手の本当の姿が見えてきます。
そして、「相手は恐れる対象ではない」ということがわかり、自分の才能も想像力も隠す必要がなくなります。
自分の想像力の豊かさを認め、自由にその力が働くままにしてあげると、その想像力はしっかりと相手の本当の姿を把握してくれて、「足を引っ張られる恐怖」から解放してくれるのです。
「あれ? 想像力って相手に対する恐怖を生み出していたんじゃないの?」と、矛盾を感じるのですが、それは「自分の想像力の豊かさをちゃんと認めてあげていなくて、中途半端になっていた」ことが原因。
豊かな想像力を認めて、その想像力が働くままにすれば、相手におびえる必要がなくなります。すると、才能があればあるほど足を引っ張られる、という悪夢のような現実から抜け出すことができるのです。
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アルコール依存症専門病院、周愛利田クリニックに勤務する傍ら、東京都精神医学総合研究所の研究生として、また嗜癖問題臨床研究所付属原宿相談室非常勤職員として依存症に関する対応を学ぶ。嗜癖問題臨床研究所付属原宿相談室室長、株式会社アイエフエフ代表取締役を経て、現在、株式会社インサイト・カウンセリング代表取締役。短期療法のFAP(Free from Anxiety Program)療法を開発し多くの症例を治療している。