お悩み③大人数の飲み会などの集まりが苦痛です…

メーカーで事務の仕事をしている会社員のNさん(20代・女性)。人とじっくり1対1で話すのは好きな一方、職場の飲み会など大勢で盛り上がる場は苦手です。

前の人のお皿が空いたら料理を勧め、会話に入れなくてぽつんとしている人には話をふり、興味がない話題でも大きめにリアクションをする。みんなが楽しめるように気を配り、飲み会のあいだじゅう気を張りっぱなし……。

楽しむフリをしているものの、「早く終わらないかな」と思い、お手洗いでひとりになるとほっとするそうです。

解決策:最適な刺激レベルを理解して、たっぷり休息の時間を持って

「人といると、疲れてしまう」――多くの繊細さんが抱えるこの悩み。これには実は繊細さんの神経システムが関係しています。それも、飲み会のように大勢がいる場のコミュニケーションで、繊細さんの心は次のようにフル回転します。

・その場の雰囲気はどんよりしているか、明るいか
・話し声が部屋の中で反響しているか、通り抜けていくか
・誰が楽しんでいて、誰が無理をして笑っているか
・全員のお皿に料理が取り分けられているか?
・空調のかすかな音
武田友紀『「気がつきすぎて疲れる」が驚くほどなくなる「繊細さん」の本』(飛鳥新社)

表情、仕草、声のトーン、話の内容……人は情報の塊。誰にでも最適な刺激レベルがあり、他の人にとって何でもない刺激が、繊細さんにとっては強すぎるのです。

繊細さんには、ひとりでゆっくりと心を休める時間が必要です。

心ゆくまでひとりの時間をとり、感じすぎた刺激を流すことで、自分らしい穏やかさや明るさを取り戻すことができます。

充分にひとりの時間をとり、新たな刺激を楽しむ余裕があって初めて、また人と一緒に過ごしたい、誰かとワイワイ話したいという気持ちが起きるのです。

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武田 友紀(たけだ・ゆき)
HSP専門カウンセラー

メーカーでの研究開発を経て独立。フリーのカウンセラーとして個人向けの人間関係カウンセリングや適職診断を行う。著書に『「繊細さん」の本』『「繊細さん」の幸せリスト』ほか。繊細の森にてコラム掲載中