お悩み②なぜか、いつも私だけ忙しいんです…

「同僚のフォローをしているうちに、大変な仕事が自分に集まるようになった」
「やらなきゃいけない仕事があるのに、みんな忙しくて手が回らないから、私が引き受けて夜遅くまでやっている」

こんなふうに、職場における繊細さんたちは、とにかく忙しくなりがち。なかには「もう少し時間に余裕がほしいと思って転職するけれど、どの仕事でもいつの間にか忙しくなる」と話す人もいます。

なぜ、繊細さんは忙しいのでしょうか?

繊細さんは非・繊細さんより多くの物事に気づくため、気づいたことに片端から対応していると、処理する量が単純に多くなり疲れ果ててしまうのです。

そのため、気づいたことに半自動的に対応するのではなく、対応すべきものと放っておくものを自分で選ぶ必要があります。

解決策I「気づく」と「対応する」を分け、気づいても対応しない人を観察

具体的には、自分の行動を「気づく」と「対応する」に分けて考えます。

・気づくのはOK!

繊細さんは、作業する、メールを見る、といったごく普通の行動をしているだけで、「この部分に無駄がある。こうすればもっと効率化できるんじゃないか」「この問い合わせには、こちらの状況も伝えておいたほうがいいだろう」などと、次々と改善すべき点に気づきます。これはOK。繊細さんにとって「気づく・気づかない」は、自分の意志でコントロールできるものではないのです。

・対応するかどうかは、自分で選ぶ

さて、ここからが肝心。気づいたことに対応するかどうかは、自分に余裕があるか見ながら判断します。

たとえば、メールの返信で、「聞かれたことに答えるだけではなく、こちらの状況も伝えたほうがいい」と気づいたとき。

サクッと状況を伝えられるなら対応してもOK。もし、状況を同僚に確認し、言い回しや伝える順番を考えて、資料も添付して……と、芋づる式にやったほうがいいことが出てきたら、いったん手を止める。時間をかけてでもやるべきことなのか、考えてみてください。ときには「気づいても対応しない」という選択も必要です。

なぜかいつも忙しくなる、仕事が溜まっていく。そんなときは「気づいたこと全てに対応しようとしていないか?」を振り返ってみてください。

心身ともに健康に働くためには「対応すべきことを自分で選ぶ」「致命傷でなければ、対応せずに放っておく」ことがとても大切なのです。

生命に関わる場合を除き、「気づいても対応しない」という選択肢は存在します。

実際、職場を見渡すと「自分より気づかない人」あるいは「気づいても対応しない人」がいるのではないでしょうか。気づかない同僚をモデルに、少しずつ自分の「やらなきゃ」の縛りをゆるめてみましょう。

解決策II「ちょっとお願い」と、まわりに頼る

・まずは、「頼る」という発想を持とう

これまで自力でがんばってきた繊細さんの中には、ひとりでなんとかすることが当たり前になっていて、「頼る」「誰かに相談する」という選択肢がそもそも頭に浮かばなかった、という人も。

まずは「人に頼る」という発想を持ってほしいのです。

それは、いわば洗濯機を使うイメージです。自分で手洗いできるからって洋服を全部、手で洗う人は今どきいませんよね。それと同じです。自分でできるからって全部自分でやろうとせず、人に頼る。大変なときだけでなく、日常的に頼る。

棚からファイルをとる、話を聞いてもらう、といった軽めのことから、仕事のお願いまで、「これ、誰かにお願いできないかな?」と考えてみてください。

・相手の状況を推測せず、言葉で確かめる

あれこれ想像するより「◯◯してほしいけど、どうかな?」と聞いてみるほうが断然確実で早いです。自分には大変なことでも相手にはなんてことなかったり、忙しそうでも意外とできることだったりします。

そして、聞くときの最大のポイントは「無理そうだったら言ってね」と一言つけくわえること。頼みごとを引き受けるかどうか、決定権は相手にわたします。

・相手が引き受けてくれたら、信じて任せる

頼んだら「いいよ」って引き受けてくれた。でも、やっぱり悪かったかな。本当は嫌だったんじゃないかな……などと振り返っていませんか。相手を心配しすぎるのは、実は相手の力や判断を疑う行為です。

「いいよ」と言ってくれた相手の判断を尊重して任せましょう。「無理だったら言ってね」と伝えている以上、「いいよ」と言ってくれたなら、それは相手の選択なのです。

「ちょっとお願い☆」は、繊細さんの人生を支える言葉。小さなことから頼る練習をしていくうちに、大きな相談事もできるようになっていきますよ。