今回の新型コロナウイルス問題を機に、初めてリモートワークを経験したというビジネスパーソンも多いはず。「苦手な人と離れられて楽」「通勤時間がない」「家族との時間がとれる」……、リモートワークには多くのメリットがある一方で、デメリットもあると指摘するのは、精神科医で産業医として活躍されている井上智介さん。そんなリモートワークの落とし穴について解説していただきました。

リモートワークのデメリットを克服する方法

リモートワークは、もともとやりたかった人にとってはメリットが大きいかもしれませんが、今回の新型コロナウイルス問題で、心の準備ができていないまま、突然に始まった人にとっては、むしろデメリットになることも考えられます。そのデメリットは次の5つです。

①孤立感が強くなる

一人暮らしの人はオンライン会議などがなければ、一日じゅう誰ともしゃべらないということもざら。そうすると自分がどこの会社にいるのか、どこに居場所があるのかわからなくなり、うつ状態になる恐れがあります。孤立感や孤独感で精神がやられてしまう前に、会社の人と密に連携をとることが必要になります。

Zoomでの取材に応じてくれる金髪アフロの精神科医・井上智介先生
Zoomでの取材に応じてくれる金髪アフロの精神科医・井上智介先生

まさに密に連携をとるということは、産業医としてリーダーの方に強くお願いしたい点です。できればface to faceでつながれる環境をつくってほしいんですね。たとえばオンライン会議。プライバシーもあるので、カメラをオフにしている人もいますが、「人の顔を見るだけで安心する」ということもありますので、カメラは双方が必ずオンにして顔が見えるようにしてほしい。“顔が見えるつながり”というのは、本当に大切なのです。