部下の異変に早めに気づくには、ここをチェック!

実は上司として心配なのは、サボるタイプよりも真面目タイプの部下。つい一人で仕事を抱え込んでしまい、やがて体調を崩してしまうからです。

仕事を抱え込むと睡眠不足になりますから、職場で顔を合わせていれば、遅刻気味になたり、身なりが整っていなかったりして、早い段階で異変に気づくことができます。しかしリモートワークだと、そういったちょっとした変化に気づきにくい。大事になってからようやくわかることがあるので、上司としては気をつけたいですね。

リモートワークでも、そういった異変に早く気づくには、時折、部下に仕事への意欲を聞くことです。どういうことをやっていきたい? これはどう思う? と声掛けして、本人の気持ちを引き出していくとよいでしょう。

そして判断能力をチェックすることも重要です。部下が、タスクの優先順位がつけられなくなってきたら、判断能力が鈍っているサイン。ストレスがかかっているので、フォローを入れたほうがよいですね。

アフターコロナは、あわてず、焦らず、つながりを大切に

今後、新型コロナウイルス問題が収束しても、会社の業績が悪化したり、ボーナスが削られたり、ネガティブなニュースが出てくることが予想されます。リモートワークの影響などで4月の自殺者数が前年より約20%下がったと言われますが、この先はまた増える可能性が大いにあります。

そこで大切なのが「みんなで乗り越えよう」という感覚。それこそ会社の業績を見て、仕事に対する意欲を失ったり、会社を辞めることを考えたりする人が出てくる恐れがあります。リーダーが積極的に声掛けすることが、精神的なつながりをつくりますから、そこは意識してやっていただきたいですね。

こういうときこそ「あわてず、焦らず、つながりを大切に」してください。こういった非常時には退職や転職など、すぐに目に見える結果が欲しくなります。あるいは終わらせたという結果がほしくて、自殺を考えてしまう人もいます。そうではなくて、まずはあわてず、焦らず、ゆっくり時間をかけて考えてやっていこうと。そして一人ではないということ。つながりを大切にして、リーダーの方にはみんなで乗り越えていけるように導いてほしいと思います。

井上 智介(いのうえ・ともすけ)
産業医・精神科医

島根大学医学部を卒業後、様々な病院で内科・外科・救急科・皮膚科など、多岐の分野にわたるプライマリケアを学び、2年間の臨床研修を修了。その後は、産業医・精神科医・健診医の3つの役割を中心に活動している。産業医として毎月約30社を訪問。精神科医・健診医としての経験も活かし、健康障害や労災を未然に防ぐべく活動している。また、精神科医として大阪府内のクリニックにも勤務。