子どもにとっては楽しい夏休みでも、保護者はそうとも限らない。漫画家で、2人の小学生の子どもを持つ田房永子さんは「『小学生の保護者になって6回目の夏。しかも“コロナ禍の保護者”をやり切った後だから楽勝』と思っていたが、脳内に自分で作り上げた架空のママと自分を比較して不安になり、調子を崩してしまった。ぜひしっかり休んで、少しでも調子が悪いと感じたら早めにメンタルクリニックに行ってほしい」という――。
洗濯物かごの横でうずくまり、頭をかき乱している女性
写真=iStock.com/takasuu
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全然「楽勝」じゃなかった!

子どもたちの夏休みも終盤にさしかかっていますが、保護者のみなさま、体調とか大丈夫ですか⁈

私はまったく大丈夫ではありません!

子どもが生まれて11年、小学生の保護者になって6回目の夏。

どの時代の親でも未体験だった「コロナ禍の保護者」をやり切った私たちなら、できる! この夏は楽勝! なはずでした。

お出かけの予定をそこそこ入れました。宿題の計画も立てさせました。

個人的にカップ麺を禁止された子ども時代を過ごしたため、「カップ麺という便利なものを子どもに食べさせる罪悪感」も1学期のうちに克服しました。

うちの子と同じ高学年の他の子たちは、ガッツリ自分で食事(主食、主菜、副菜)を作れちゃう子もザラにいると聞きます。私はそこまでは指導できませんでした、そんな自分を責めない、それを頑張って夏休みを迎えました!

なのに夏休みが始まって3日目にして発狂しかけました……「もう無理……」ってなってしまいました。

夏休みってなんか、始まってすぐいきなり土日、っていうのが多くないですか? 一応、平日は仕事をしなきゃいけないのに、やっぱりリズムが崩れ、結局ずっと子どもと一緒にいる感覚になって速攻で頭が爆発しそうになりました。

私の頭が爆発しそうになった理由

1 なんだかんだといろいろやって「やっと落ち着ける……」と思った瞬間に「おなかすいた」って言ってくる。

2 「給食がないため、普段の食事の野菜を多めにしなければいけない」という指令が、自分の脳から自分の全身へ強めに発信され続けている。

3 「落ち着きたい」「野菜」「野菜多め」「自分のことをしたい」でとりあえず目の前のことを片付けるしかない

4 結果的に「おなかすいた」というセリフにキィーッ! とくる

5 「おなかすいた」は子どもとして完全に健全なセリフであり、それにキィーッとくる自分がおかしい、と反省する