※本稿は、エルヤキム・キスレフ(著)、舩山むつみ(訳)『「選択的シングル」の時代 30カ国以上のデータが示す「結婚神話」の真実と「新しい生き方」』(文響社)の一部を再編集したものです。
この社会に最後まで残る「差別」
近年、私たちは多様な性的アイデンティティーに対してもオープンな態度をとるようになった。異なる民族をたたえ、さまざまな政治的意見を許容することもできる。
それなのに、私たちは今も、シングルの人たちが――特に年齢が上がれば上がるほど――結婚すべきだとせかされ、結婚しなければ偏見にさらされる社会に生きている。
たとえば、ある研究では、大学生1000人を対象に、結婚している人たちに対してもつイメージ、シングルの人たちに関してもつイメージについて、アンケートをとった。
結婚している人たちに対してもつイメージとしては、「成熟している」「幸せ」「親切」「正直」「愛情のある」といったものが挙げられた。
対照的に、シングルの人たちは、「未熟」「不安定な」「自己中心的」「不幸」「孤独」とみなされており、なかには、「醜い」という回答さえあった(※1)。