もう1つ、日本は小選挙区制なので党の代表として出てくるのは1人だけですが、そこに新たに女性が入り込める枠はなかなか空きません。18年に女性の政治進出を促す目的で「政治分野における男女共同参画推進法」が成立し、男女の候補者数をできる限り均等にすることが決まりましたが、これはあくまで努力目標です。小選挙区制の中で確実に女性を出すということをしないとそもそも当選しないわけですから、男女同数なんて無理なんですよね。
――具体的に比率を決めて強制力を持たせないと不可能なのでは?
GGIで日本とアジア最下位を争っていた韓国は、選挙で候補者の一定比率を女性に割り当てる「クオータ制」を導入することで女性議員数を増やし、今回のランキングでは108位まで上昇しています。日本もそうすればよいのでしょうが、今の段階では女性地方議員の増加を目指すほうが現実的。今、自由民主党の女性局の中でも地方議員を増やす取り組みをはじめたところです。地方議員を経て国会議員になる人は多いですし、東京と違い職住が近接している方が多いので、女性がワーク・ライフ・バランスを整えやすいでしょう。
男性中心のカルチャーを変えていくために
――政治家も有権者も意識を変えていかないとダメですね。
多少無理やりにでも女性を増やしていくと確実にカルチャーが変わると思います。国会議員は国民の代表であり国会は日本の縮図ですから、人口の半数が女性なら議員もそうあるべきです。でも国会に出ると周りは依然として、男性ばかり(笑)。
先日、フィンランドの国会に行って本当にびっくりしたんですよ。会議場の半分くらいが赤とかピンクとか黄色、いろんな服の色の女性で占められている。それで、議長席、閣僚席、閣僚が質問する席についている議員も、3人すべて女性だったんですね。これだけ女性がいたら、議員の活動スタイルも変わるでしょう。日本はやっぱり国会の、あのダークスーツだらけの景色を変えない限り、変わっていかないだろうと思いました。
企業の役員会などでもいわれていることですが、マイノリティーが3割になるとカルチャーが変わる。国会でも、女性議員が1人だけでは既存のカルチャーに合わせざるをえません。でも、これが3割になると全体のカルチャーが変わってくるはずです。会社なら会議が早く終わるとか合理的になるとかいわれていますが、議員なら多様な活動スタイルが認められるといったことですね。もっと女性が活動しやすくなっていくはずです。