新型コロナウイルスの感染拡大で学校の休校が長引いている。海外では当たり前のようにオンライン授業が行われるが、日本の公立の学校ではなかなかこれが進まない。それにしびれを切らした富裕層たちが自宅で実践している教育とは――。
幸せなアジアの家族はリビングルームでソファの上に一緒に時間を費やしています。家族と家庭の概念
※写真はイメージです(写真=iStock.com/pondsaksit)

なぜ日本では公立校でオンライン授業ができないか

新型コロナウイルス感染防止のため世界的に自粛の動きですが、気になるのが「教育格差」です。休校がこれだけ長引けば、自学自習できる児童生徒・学生と、そうでない人との差は確実に広がるからです。

日本に限らず多くの国で学校は休校が続いていますが、海外に子弟を留学させている私の知人の富裕層に聞くと、すでにオンライン授業に舵を切り、試行錯誤しつつもかなり満足度の高い教育内容になってきていると言います。

むろん学校や教師によって違いはあるものの、先生たちは総じて生徒一人一人に対してきめ細かくフォローしようという姿勢であるとのことです。

日本でも一部の私立校などで対応は始まっていますが、特に公立校では「方針や方向性が出ていないから」「設備や環境が整っていないから」という理由で、自習は生徒任せ(つまりほぼ放置状態)の学校が多いようです。

もともと学校という世界そのものがIT化から遅れており、教師のITリテラシーも高くないため、積極的に動きにくいという側面もあるのでしょう。あるいは意識の高い一人の教師が何か始めると、スタンドプレー扱いされる懸念もあるのかもしれません。

しかし、ここで教育の空白期間が長く続いてしまうと、登校したときには圧倒的な学力差ができてしまいます。