本来であれば2020年の春は、プログラミング教育や英語、アクティブラーニングの本格導入など、小学校で始まる新しい取り組みに注目が集まるはずだった。しかし新型コロナウイルスの感染拡大による一斉休校で、大混乱の新学期となりそうだ。「ポスト・コロナ」の教育は、どう変わっていくべきなのか。「尾木ママ」こと教育評論家の尾木直樹さんに話を聞いた。

日本の教育の“アナログ”ぶりが露呈した

突然の一斉休校で、eラーニングなどのITを使った教育「EdTech(エドテック)」に世界的に注目が集まっています。先進諸外国と比較すると一目瞭然なんですが、日本はものすごく遅れています。それが今回、露呈しました。

教育評論家の尾木直樹さん
教育評論家の尾木直樹さん

新型コロナで一斉休校の状況になっても、中国やアメリカでは公教育が途切れることはほとんどなかったようです。子どもたちは自宅からオンラインで授業を受けている。大学も、オンラインに切り替えて始まっているところが多いようですね。

一方日本は、この春からプログラミング教育が導入されることになっていますが、今の全国の国公立小中学校でのパソコン普及率は5.4人に1台です。ようやく2023年度中に学校でパソコンが子ども1人1台になるというくらい。一斉休校でも、eラーニングを活用して学校の授業ができたところはほとんどありませんでした。