外出自粛にテレワーク。新型コロナウイルスの影響で、家ですごす時間が長くなり、散らかりっぱなしの部屋が「なかなか片づけられない!」なんて人も多いのではないでしょうか。今回は自身も片づけられない人だったという大人気心理カウンセラーの大嶋信頼先生に片づけの裏技を教えてもらいます!

※本稿は大嶋信頼『片づけられない自分がいますぐ変わる本』(あさ出版)の一部を再編集したものです。

楽屋
※写真はイメージです(写真=iStock.com/onurdongel)

散らかりっぱなしは脳が優先順位をつけられないから

片づけが苦手だった私は子どものころ、母親から「だらしがない」とよく怒られていました。「だらしない人は世の中に出たらバカにされるよ」とか「人から認められないダメ人間になるよ」といつも脅されるのですが、私はいざ「やろう」と思っても「ちっとも片づけられない」ということを繰り返していました。

成績がいい友達の家に行くと、「羨ましい」と思うぐらい部屋が整理整頓されていて、彼のノートを見ても、ものすごくきれいにまとめられています。

それに比べ私は、部屋はぐちゃぐちゃでノートもめちゃくちゃ。教科書を目の前にしたってすぐに気が散ってしまって10分以上集中することができません。

いつもそんなふうなので、「自分は頭が悪いから片づけができないんだ」ということを信じて疑いませんでした。

しかし、大人になって心理学を勉強するようになると、頭が悪いから片づけられないのではなく、脳のバランスに原因があることがわかりました。

一般的には計算や記憶、物事を理解する力、というのが優れていると「頭がいい人」と思われます。このような人は知能テストなどでいうところの「言語性知能」が発達しています。

一方で、パズルを組み合わせるとか、優先順位をつけて仕事をこなす、ということが優れていると「優秀な人」と思われます。このような人は「動作性知能」というものが優れているのです。

この二つの知能のバランスが悪い状態、つまり、どんなに「言語性知能」が高くても「動作性知能」が発達していないと優先順位がつけられなくて片づけられなくなってしまうのです。

するとどうなるのか?

たとえば私の場合で言うと、単純に「片づけをやらなければ!」と思っていても、そこに雑誌が落ちていると「雑誌に対する興味」のほうが上回ってしまって「片づけ」ができなくなります。

このちょっとしたことで集中力が保てなくなってしまう状態が、まさに優先順位を自分の中でうまくつけられていない状態というわけです。