あえて「片づけなければ」と思わないようにする
このように「片づけようといろいろ考えても片づけられない!」という時は「片づけなければをやめる」と唱えてみるといいでしょう。
「片づけなければをやめる」というのは片づけることを考えることも、実際に片づけようとする努力もしない、ということ。
言語性知能が高い人は「考えなければ片づけられないでしょ」と思ってしまいがちですが、それを考え始めてしまったら、その細かさに動作性知能がついてこられず、実際に片づけられなくなってしまいます。
具体的には、買い物などから家に帰ってきた時に「片づけなければをやめる」と頭の中で唱えてみるのです。
そうすると、そうすると、一時的に片づけのことを考えるのが止まったりしま
すると不思議なことに「あれ? いつもだったら部屋の中にゴミが落ちていても拾わないのに自然と拾っている自分がいる」などということが起こります。
つまり、「片づけなければをやめる」と自分の中で唱えてみることで体が自動運転のように動き出すのです。
逆説の暗示で「片づけベタ」が「片づけ好き」に!?
この「片づけなければをやめる」という方法は、実は「逆説」という暗示のテクニックを使っています。
この「逆説」というテクニックは「大きな牛を何人もの大人がトラックに入れようとしても入れられない」という時に、体が不自由な子どもが「僕だったら簡単に入れられるよ!」と言ったことで発見されました。
その体の不自由な子どもがどうやって牛をトラックに乗せたのかというと、まず牛の尾を思いっきりトラックと反対方向に引っ張ります。
そして子どもが「いいよ」と手を離した時に、牛は「ドドド」とトラックのほうに走っていったのです。
言ってみれば、いつも「片づけたいのに片づけられない」と思っているのが「トラックに乗らない大きな牛」の状態。それを反対方向に引っ張るのが「片づけなければをやめる」という言葉です。
汚い部屋を見て「片づけなきゃ」と思ったら「片づけなければをやめる」と自分の中で唱えてみる。
すると逆説が働いて、言語性知能が高い人でも「
これを繰り返し唱えていると、どんどん逆説が働いて、まるで片づけ好きになったかのように自然と部屋を片づけていくような面白いことになっていきます。
本当に心の中で唱えるだけ。
すごく簡単にできるので、一度試してみてはいかがでしょうか?
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アルコール依存症専門病院、周愛利田クリニックに勤務する傍ら、東京都精神医学総合研究所の研究生として、また嗜癖問題臨床研究所付属原宿相談室非常勤職員として依存症に関する対応を学ぶ。嗜癖問題臨床研究所付属原宿相談室室長、株式会社アイエフエフ代表取締役を経て、現在、株式会社インサイト・カウンセリング代表取締役。短期療法のFAP(Free from Anxiety Program)療法を開発し多くの症例を治療している。