家庭にできることを、今こそ考えて
大人が抱える不安は、子どもたちにも伝わります。小学校低学年くらいの子どもたちには、赤ちゃん返りをしたり、おねしょ、爪噛み、チック症状などが出る可能性があります。中学生くらいであっても、普段は一人で寝ているのに、親と一緒に寝たがる子も出ているようです。
大人も大変な時ではありますが、こうした子どもたちの出すサインを見逃さないでくださいね。怒ったりせず、悩みやイライラを受け止めてあげれば、子どもたちも安心するし、よりどころを見つけることができて、「何とか頑張ろう」と思えるようになります。大人は不安でも、子どもの前ではなるべく大きく構えて、前向きな態度や言動をとりたいものです。
そして家庭の中に、「居場所」を作ってあげてほしい。子どもたちは、突然「学校」や「部活」などの居場所をなくしてしまっています。今こそ「家庭があなたの居場所だよ」と思えるようにしてほしいです。
そのためには、家事をやってもらうのがいいですね。特にご飯作り。子どもたちって、料理をするのは好きなんですよ。掃除より、料理を作って家族に「おいしい!」「すごいね!」とほめてもらう方が、満足感も高いし、自己肯定感も高まります。「家庭に居場所があるんだ」と感じることができるのは、子どもたちにとって大発見になると思うの。
休校で格差がさらに広がってしまう問題
今回の一斉休校は、子どもたちの学習面にもマイナスの影響を与えています。
学校側は、ほとんど準備する時間もなく休校に入ってしまったので、多くの学校が3学期にやるはずだったプリントをどかっと渡すくらいしかできていません。不登校の子ども、障害のある子ども、困難を抱えた子どものケアはまったく足りていない。「各家庭で何とかしてください」とばかりに、サポートがないままで放り出されているという状態です。