昨年2019年12月に発表された「ジェンダーギャップ指数」で、日本は153カ国中121位だったが、ジェンダー平等が進まない理由の一つに、男性の家事・育児時間の少なさがある。今年1月にも、小泉進次郎環境大臣が「育休」を取って賛否両論の議論が巻き起こったばかりだ。「男性も育休を取り、父親であることを楽しもう」という活動を続けてきたNPO法人ファザーリングジャパンの代表理事でファウンダーの安藤哲也さんに話を聞いた。
記者会見する小泉進次郎環境相=2020年2月25日、環境省
記者会見する小泉進次郎環境相=2020年2月25日、環境省(写真=時事通信フォト)

「男性の育休」が、すべてを変えるカギになる

ジェンダーギャップで日本がまたランクを落とし、世界121位になったというのは、当然の結果だと思います。日本はジェンダー平等政策が、欧米に比べるとトラック5周分くらい遅れていますから。今、ようやく本気で「マズい」という空気ができ始めているように感じます。今年は、日本がジェンダー平等に向かう、スタートの年になるのではないでしょうか。

変化のカギになるのは、男性の育休です。僕はよくこれを「ボウリングの1番ピン」に例えています。この1番ピンが倒れれば、女性活躍の推進、子どもの虐待の防止、DV(ドメスティックバイオレンス)の防止、離婚の減少、介護離職の減少など、いろいろなピンが倒れ解決に向かっていくはずです。

小泉環境大臣が育休取得を表明したときに、「男性議員の育休取得は是か非か」が話題になりましたが、そういう議論はもう終わりにしたい。早く、育休を取りたい父親が当たり前に取れる社会にすべきだと思います。