小泉進次郎氏が育休取得を発表。その内容は3カ月のうちにあの手この手を使ってトータルで2週間分の育児時間を確保するというものだった。そこで示したあの手この手は、新しい時代の育休スタイルを提案しているようでもある。
環境省の働き方改革に関する会議で、第1子誕生後に「育児休暇」を取得する考えを表明する小泉進次郎環境相(左)=2020年1月15日、同省(写真=時事通信フォト)

一政治家の特異な例で終わらせてはいけない

小泉進次郎環境相が悩み、逡巡した末、育休取得を決断した。重責を担う現職閣僚が踏み切った男気、勇気に対し、心から敬意を表したい。

第一報に触れた際の感想は「日本社会を変革する大英断。育休を取りづらい空気は必ずや一変する」。そのまま、筆者のTwitterに書き込むと、多くの賛同する意見の反面、何も変わらないとの見方も寄せられた。小泉氏の決心を、一政治家だけの特異な事例にとどめることなく、普遍的なものとするためにも、男の育休率向上や働き方改革の推進にどのような効果を与えるのか考えてみたい。

小泉氏のブログと環境省での発言の中で、最も目を引いたのは、自宅でのテレビ会議導入やメールでの資料確認、時短勤務、副大臣や政務官に職務を代替させると表明した点だ。第1子誕生から3カ月以内に、計2週間分の育休実現を図るため「テレワーク(在宅勤務)の導入」「短時間勤務」「代わりが利く職務は部下が代行する」と、すべてが斬新に映るアイデアを編み出した。小泉氏が明かしているように、多くの人に話を聞くなどして、以前から入念に準備し、熟慮していた様子がうかがえる。