男性育休に“第3の波”がやってきた

僕は今、男性の育休取得の「第3の波」が来ていると思います。缶詰のフタで言うと、去年までは3分の1くらい開いていた状態。そのフタが、小泉環境大臣の育休で3分の2くらいまで開きました。

第1の波は、2010年の育児・介護休業法の改正です。制度上は男性が育休を取りやすくなり、「イクメン」という言葉が流行語になりましたが、なかなか育休を取る男性は増えませんでした。

第2の波は、2015年末ごろです。当時衆議院議員だった宮崎謙介さんが育休を取りたいと発言して注目されましたが、結局不倫問題で議員を辞職。残念ながら男性育休を推進しようという機運が下がってしまいました。

それから僕らは、しばらくひっそりと地下で活動を続けていたんですよ(笑)。それでやっと来た第3の波です。今度こそ本物にしなくてはいけない。

「育休取るの?」と聞いてはいけない

部下の男性に子どもが生まれたときには、「おめでとう。育休取るの?」と聞いてはいけません。「取るの?」ということは、相手には「育休取るの?(取るわけないよな)」と伝わります。「育休いつ取るの?」と聞いてあげてほしい。取ることが前提なんですから。

こうした間違いを犯すのは、女性の上司も同じです。

先日、ある50代くらいの公務員の課長の女性が、子どもが生まれて育休を取りたいといった男性に対して「え? あなたが育休を取るの? 今は女性の両立支援策も充実しているから、あなたが休まないで、奥さんに育休を取ってもらった方がいいわよ」と言ってしまったそうです。この課長は、「男性は、休まないでたくさん働いた方が出世する」と考えていて、よかれと思って言った。アンコンシャスバイアス(無意識の偏見)は本当に根深いです。