待ち受け家事とは

待ち受け家事とは、多くの女性が「やりたいことがあるのに、ジッと待たなければいけない」といった家事のこと。例えば、洗濯物を干すために洗濯機が終わるまで待つことや、子どもの食事が終わるまで洗い物をせずに待つこと、そして「宅配便」の配送や受け取りを待つ時間などです。

LIXILのスマート宅配ポスト

この言葉を初めて提唱したとされるのが、LIXIL(以下、リクシル)。きっかけは、従来の「宅配ボックス」に、IoT(Internet of Things/モノのインターネット化)技術を組み込んだ、「スマート宅配ポスト」の存在。具体的には、同宅配ポストを世に浸透させる段階で行った、独自調査等にあったといいます。

「同商品(サービス)をPRしていくにあたり、われわれは30~40代の既婚女性300人にアンケート調査を行いました。すると令和の時代、新たに解決しなければならない家事は、夫婦どちらが分担(シェア)するか、見えない家事をいかに見える化するか、といったことだけでなく、普段は家事としてカウントされにくい『時間』にあることに気づいたのです」(リクシル エクステリア事業部・向中野雄彦さん)

8割以上が待ち受け家事をしている

リクシルが「待ち受け家事」と想定したのは、先の「宅配便の配送・受取を待つ時間」のほか、同じく既述の、洗濯関連や子どもの食事関連、そして「配偶者の帰宅を待つ時間」「スーパーマーケットなどでのレジを待つ時間」、あるいは「子どもの習い事や塾などが終わるのを待つ時間」など。

待ち受け家事の経験

すると、回答者の8割以上(83.4%)は、いわゆる待ち受け家事の経験が「(よく+たまに)ある」と回答。そのうち、「ストレス」を感じる女性が圧倒的に多かったのが、「宅配便の配送・受取を待つ時間」(52.3%)だったといいます(19年 リクシル調べ)。

「現代社会においては『時間』こそ、お金に代えがたい貴重な存在」だと向中野さん。

「にもかかわらず、宅配便にとって『時間』は、切っても切り離せない関係にある、厄介な存在。本来、やりたいことがあるのに、家で宅配便をジッと待たなければいけない……、そんなストレスを、家族の中で一手に背負っているのが、忙しい現代の主婦や共働き女性だと気付きました」