全身の毛細血管が縮み、血行不良で抜け毛が増える?

この時期は寒い冬を乗り切るため、カラダも冬眠のような状態になります。そして、エネルギーは生命を維持するために大切な中心部の臓器へと向けられ、カラダの末端には栄養があまり行き渡らなくなります。そのため、腰を丸めて、カラダの大事な部分であるお腹を温めるような姿勢をとります。また、体中の血液を中心に集めるために四肢の血管が収縮することで手足が冷えたり、カラダの末端にあたる毛まで栄養が行き渡らないために毛が抜けたりと、いろいろな変化が認められます。そのため、自分自身でも一気に老け込んだように感じる時期かもしれません。

冬の深まりを感じる大雪は冬眠の時期でもあります。カラダは生命維持のために必要な部分にエネルギーを集中させているため、脳にまで栄養が行き渡らず、ボーっとして、想像や集中などの精神活動が鈍くなるのもこの時期の特徴です。

カラダを温めるような食材を多く食べ、内臓の機能を高めるとともに、カラダを動かしたり、ほぐしたりするなど外的な力でエネルギーをカラダ全体に巡らすようにすることで、脳の循環も良くするように心がけましょう。

内臓を温め、骨盤底筋群を鍛えて若々しく

「カラダとココロの養生法」

この時期は寒さが強いことから、自然に背中を丸めて、お腹を温めようとします。お腹が冷えるのは、外気温が低いこともありますが、近年ではストレスなどの緊張状態、食べ物や飲み物などの食習慣、運動習慣、環境要因などさまざまな要因が考えられます。ストレスとは、交感神経の活動が優位な状態ですが、内臓は一般的に副交感神経が優位なときに活動します。そのため、ストレス下では内臓血流が低下することで、内臓の働きを抑制し、お腹の冷えが現れると考えられています。さらに、ウリ類などのカラダを冷やすような食材やビールなど飲み物は内臓を直接冷やすため、内臓の活動低下を招き、お腹が冷えてしまいます。冷えた状態が長く続くと、内臓の血流を上げるために多くの血流を内臓に集めることになり、結果、全身が冷え、栄養が行き渡らなくなって老化が進んでしまいます。

また、お腹の周りには多くの筋肉が存在しますが、運動不足によりお腹の筋肉が硬くなると、血行が悪くなって冷えを招くとともに、骨盤底筋群などの筋力が低下し、骨盤内臓器(膀胱・子宮など)の機能低下を招くことにつながります。そのため、骨盤周りの筋肉である骨盤底筋群を鍛えることが大切です。骨盤底筋群の運動には、肛門に力を入れ、その状態を10秒くらい保つ運動を1日20~30回程度行うのが効果的。立ちながら、寝ながら、座りながらなど、いろいろな体位で肛門に力を入れ、骨盤底筋群を鍛えましょう。

「食養生」

この季節の旬は牡蠣です。牡蠣は海のミルクとも呼ばれ、栄養満点。精力をつけ、不眠を治し、解毒や神経強化に効果があります。年齢とともに味覚が鈍感になりがちですが、これは亜鉛不足の可能性があります。特に牡蠣は亜鉛が豊富なため、味覚障害にも効果的な食材です。

イラスト=uatelier(イラストAC)
「お勧めのツボ」

大雪を乗りきるためのおすすめのツボに関元かんげんがあります(図表1)。関元はおヘソから指4本分下に位置します。このツボは、生理痛や冷え性にも効果的で、内臓機能を高めてくれるツボであり、アンチエイジング効果が高いだけでなく、骨盤内臓器(子宮・卵巣・膀胱・腸など)の機能回復にも効果的です。イタ気持ちいい程度に10秒程圧迫し、5秒空けて5回程度刺激するようにしましょう。なお、触って冷たい場合はドライヤーで温めたり、お灸を行うことをお勧めします。