写真=市来 朋久

どこが、普通のレシピ検索サイトと違うのか

おとりよせネット」がそうであるように、「レシピブログ」も「一般的なレシピ検索サイトと違いますよね」とよく言われます。レシピの数が多く、検索しやすさを追求するのが、一般的なレシピ検索サイトです。「レシピブログ」は、そういう機能を重視しながらも、料理をつくりたい人の日常生活にもコミットし、心ふれ合うコミュニケーションができるサイトを目指してきました。なぜ、そういうことを考えたのか。

私は料理本を読むのが好きで、たとえば人気の料理研究家、栗原はるみさんなどのエッセーの中に料理が入っているスタイルの本が気に入っていました。レシピだけでなく、レシピを投稿してくる人の日々も読みたい、知りたい。そういう思いがあって「レシピブログ」をスタートさせたので、レシピの数が多く、検索しやすい、便利さ一辺倒のサイトとはおのずと方向性が違うものになりました。

ユーザーと心ふれ合うコミュニケーションをしたい

一般には「材料」「つくりかた」などの入力フォーマットをつくって、利便性や検索性を高める設計にしますが、「レシピブログ」の場合は定型化せず、日常生活の雰囲気のまま、好きな形でレシピを書いてもらえるようにしています。「レシピブログ」には「料理を食べたダンナさんがホメてくれた」とか「旅先の空気が気持ちいい」といった、ブロガーたちの日常も投稿されていて、それが共感を呼んで人気となり、上位にランクされる記事やブログも少なくありません。

日常の生活において、家族やペットとのちょっとした喜びや気づき、人生のヒトコマを通して、レシピブロガーやユーザーとの心ふれ合うコミュニケーション。それをこれからも大切にしていきたいのです。

急激に伸びた、インスタグラマーコミュニティ

料理インフルエンサー事業のサービスで伸びているのが、2015年にスタートした料理でつながるインスタグラマーコミュニティ「フーディーテーブル」です。公式アカウントのフォロワー数は18万人を突破。1万人以上の登録インスタグラマーによる月間総リーチ数は4億6000万を超えます。

短期間でこれだけ伸びたのは、次のような理由があります。1つ目はインスタグラム時代の本格的な幕開けに先駆けて始めたこと。2015年の夏にスタートしたのですが、もし半年遅ければ、この流れはつくれなかったと思います。2つ目は先行して「レシピブログ」のサービスをやっていたこと。スタート当初は、「フーディ―テーブル」に参加していたユーザーの多くが「レシピブログ」のユーザーでした。このユーザーのリレーによって、短期間でぐっと伸びる基盤ができたのです。そのあと新しいユーザーが入ってくるようになり、今では8割以上が新しいユーザーが占めています。