取引が最も多いブランドは?

他のほとんどのシェアリングエコノミー関連がそうであるように、メルカリの収益の主軸も、マッチングシステム提供に関わる「手数料収入」です。

ということは、メルカリ側に立てば、販売と購入の成約件数が多いほど、あるいは売買する商品の単価が高いほど(売値・買値の10%が手数料加算されるケースも多いため)、手数料収入が増え、収益も上がることになります。

だとすれば、一般には「こんなモノ、誰が買うんだろう?」と多くの人が価値を疑うモノよりは、誰でも欲しくなる定番商品のほうが、取引が成立する確率は高いはず。また、認知度が高い高級ブランドや、幅広い年代層に愛される定番ブランド・商品を売買してもらえるほうが、メルカリにとっては商売上、「おいしい」と言えるでしょう。

現実にも、創業から5年間(2018年7月現在)で最も多く取引されたブランドは、愛用者が老若男女に広く及ぶ「ユニクロ」とのこと。また最も高く売れたモノは、1粒315万円のダイヤモンド(5カラット)だそうです。

なぜ、メルカリでドングリが売れるのか

ただし、それ以上に注目すべきことがあります。それはメルカリを通じて、アッと驚くようなモノ・コトが多数、取引されてきたことです。たとえば、創業以来5年間で最も「いいね!」が押されたのは、意外にも「ドングリ」。

1542件もの共感を呼んだ背景には、あるストーリーがありました。それは、5歳の男の子の「仮面ライダーカードを買いたい」との思い。お母さんがメルカリを使っているのを見て、男の子は自分が公園で集めたドングリなどを「ママ、これを売ってお金にしてよ」と手渡したのだそうです。

お母さんが、わが子がライダーカードを欲しがる心情を書いて、メルカリに300円で出品すると、「ほっこりする」などとSNSを中心に拡散され、「いいね!」が集中。最終的には、お子さん好きな第三者によって落札されたと言います。