「オフィスおかん」導入企業が前年比2倍以上

OKAN・広報の中村星斗さんによると、オフィスおかんの利用企業は、全国で約1500社に及ぶとのこと(2019年6月現在)。毎年導入企業数が(前年対比で)2倍以上の割合で増えているそうです。

提供するメニューは、1品あたり100円。利用する従業員は、オフィスに置かれた専用の集金箱に、買った分だけ料金を投じるシステムです。これは、古くから「富山の置き薬」などで使われてきたビジネスモデル。最近では、オフィスにお菓子が入った小さな箱を設置する「オフィスグリコ」(江崎グリコ)などにも、応用されていますよね。

オフィスおかんのメニューは約20種類

利用企業は通常、月数万円程度の月額固定料金を「福利厚生費」として支払います。利用しているのは、従業員3人ほどの企業から、5000人を超える企業まで、規模や業種も様々。オフィスだけでなく、クリニックや美容院、また商業施設や工場などにも導入されています。社食を持たない会社だけでなく、社食と併用している会社も多いと中村さん。

確かに毎日社食では飽きやすいですが、かといって仕事中にわざわざ社外のコンビニやレストラン、惣菜店に出向く時間も惜しい。とくにランチタイム、混雑するオフィス街ならなおさらでしょう。

でも、それだけではありません。中村さんによると「最近、男女ともに健康への意識が高い人が増えた影響もあるのではないか」とのこと。多くが「健康で体にやさしいものを選びたい」と考えるからこそ、オフィスおかんのように素朴なメニューを求めるのかもしれません。

夕食用に持ち帰る社員が増加中

またオフィスおかんは、ランチタイムの「社食代わり」だけでなく、「夕食利用」にも役立っているようです。

例えば、近年増え続ける「共働き家庭」の場合。

女性従業員の中には、「早く帰宅して、家族のために調理しなければ」と考える主婦も多いはずですが……、手の込んだ惣菜を一から手作りするとなると、時間や手間がかかりすぎる。帰りにスーパーやコンビニに寄ることさえ「面倒だ」と感じる日があるでしょう。

でも「あと1品」を、社内に設置された冷蔵庫や専用ボックスから持ち帰るだけとなれば、格段にラクになる。

とくに無添加で塩分・糖分も控え目なオフィスおかんの惣菜なら、「ヘルシーではないものを買ってしまった」との罪悪感も抱きにくいはずです。