讃岐うどん専門店「丸亀製麺」で客離れが続いている。既存店客数は、16カ月連続で前年割れとなっている。うどんチェーンの雄に、何が起こっているのか。店舗経営コンサルタントの佐藤昌司氏は「2018年の値上げを引き金に、勢いが鈍化した。テレビCMの力に頼ってきたやり方も、限界がきている」と分析する――。
画像=丸亀製麺HPより

既存店客数が16カ月連続で前年割れ

讃岐うどん専門店「丸亀製麺」が、客離れで苦しんでいる。丸亀製麺といえば、290円(税込)からという低価格でうどんが食べられ、昼時には行列ができる店舗も多い。しかし、最近はその人気に陰りが見え始めているのだ。

4月の既存店客数は前年同月比1.0%減だった。2019年3月期(18年4月〜19年3月)通期ベースでも、客数は前期比3.8%減と大きなマイナスとなった。16カ月連続で前年割れが続いている。18年3月期は0.8%増、17年3月期が3.0%増、16年3月期が1.8%増と伸び続けていたのが、なぜ突然失速したのか。

丸亀製麺が誕生したのは2000年。運営会社のトリドールホールディングス(HD)が兵庫県加古川市に1号店を開店したのが始まりだ。ロードサイドやショッピングセンター内を中心に出店を重ね、店舗数を大きく伸ばしてきた。11年には47都道府県への出店を達成。アジアや北米、ロシアなど海外にも積極的に出店しており、18年3月には「世界1000店舗」を達成した。

店舗で打ちたての麺が魅力

丸亀製麺の売りは、価格の安さとおいしさだ。特にうどんの「打ちたて」の麺が大きな武器。全店に製麺機を置き、100%国産(北海道産)の小麦粉を使って店内で製麺している。

これは、最大のライバル「はなまるうどん」に対する差別化要因になっている。はなまるうどんも「かけうどん」を税別150円で販売するなど、丸亀製麺同様に安さが売りだ。だが麺に関しては、オーストラリア産を主体とした小麦粉を使って自社工場で製麺している。

丸亀製麺は打ちたての麺で人気を集め、店舗網を大きく広げた。同じく2000年に1号店を開店したはなまるに倍近い差をつけ、18年3月末時点で国内では817店を展開している。

業界の盟主として君臨してきた丸亀製麺の客離れの原因のひとつは、「値上げ」だ。18年3月下旬に、数種類のうどんや天ぷらなどトッピング商品で価格が引き上げられていたとネット上で話題になった。この事実を確認するためトリドールHDに問い合わせたが、期日までに回答はなかった。

だがトリドールHDでは、5月16日に発表した19年3月期の決算説明資料で、18年4月〜6月は商品単価の値上げの影響が出たと分析している。値上げは確かに行われていたわけだ。