会計と非会計の数字をバランスよく活用

マクドナルドというと、牛肉やポテトなどの食材を世界中から最も安い価格で調達したり、厨房機器や什器を規格化して低コストで導入するなど、数字の面での効率性を追い求める「会計的な会社」というイメージが強かった。しかし、2004年に原田泳幸氏が同社の最高経営責任者(CEO)に就いてからは、積極的にリスクをとっていく「非会計の会社」としての顔をのぞかせ始めた。

その象徴が相次いで行われている「新規参入」だ。これまで手をつけてこなかった未知の分野にチャレンジしようとすると、事前調査や商品開発などでどうしても時間やお金がかかる。しかも、参入後の効果がどれだけ得られるのか予測しづらい。数字の面での効率を追求するのなら、「新規参入などしないほうがいい」ということになる。

(伊藤博之=構成 坂本政十賜=撮影)