現役時代、日本一を11回経験した名投手は、福岡ソフトバンクホークス監督就任4年目で3度目の日本一を手にした。生え抜きの若手選手が大活躍するチームを率いる名伯楽の指導とは。

最低限のルールで、現有戦力を最大化

――2018年シーズンは序盤から複数の故障者が出る波乱の幕開けとなりましたが、ペナントレースを2位で通過。そこからクライマックスシリーズ(以下、CS)を勝ち上がり、日本シリーズを2年連続で制しました。各選手も満身創痍といった中で、どのようにして最後までモチベーションを維持させたのでしょうか。

日本シリーズを制覇し、言葉を交わす工藤公康監督(左)と甲斐拓也捕手(2018年11月3日、マツダスタジアム)。(時事=写真)

まず、昨シーズンは監督としては“失敗の年”と捉えています。リーグ優勝をすることが監督の最も大事な職責です。選手の頑張りで、CSを勝ち抜き、日本一になることができた。そこには感謝しかありません。