友人は多いほうがいい。誰もがそう思い、できるだけいろいろな人と交友関係を続けようとする。だが、時間は誰にも有限で、貴重なものだ。また、誰とどのように過ごすかによって、その人の環境や状況は大きく変わる。普段どんな人と一緒にいるかによって、人生が決まると言っても過言ではない。あなたが大事にすべき人とは、どんな人か――。
※写真はイメージです(写真=iStock.com/nd3000)

どんな人と関係を強化すべきか

最優先に会うべき人に有限な時間を使うためには、今の交友関係を棚卸しする必要が出てくる。間を置くべき人と、時間をもっと共有したい人が誰かを考えて行動してみよう。「友人を切る」などという言葉や思いでなく、間を置く人と会っていた時間を、関係を強化したい人のために費やすと考えればいい。間を置いてみたら、やはり必要な人だったということがわかる場合もあるだろう。それならまた関係を強化すればいい。

では、どんな人と関係を強化していくべきか、逆に、どうすれば、あなたが求められる存在であり続けられるか。そのヒントをまとめた。

1、仕事に没頭している人

しかたなく仕事をしている人間は、しかたのない人生を過ごしていることが多い。「仕事を選ぶことは、人生を選ぶことだ」と言われるように、どんな仕事でも熱心に取り組み、自分の仕事に誇りと自信を持っている人は、大切にする価値のある人だ。

自分の仕事に誇りを持って取り組んでいる者同士なら、互いによい刺激になり、啓発し合える関係でいられる。もし、あなた自身が「仕事が面白くない」と感じているとしたら、「仕事が悪いのではなく、自分の仕事への取り組み方に工夫がないことに起因しているのではないか」と考えて、この機会に自省してみよう。

2、過去の話でなく、明日の話ができる人

同窓会などで、過去の思い出に浸ることはあるだろう。だが、社会人になって時間が経過しても、学生時代の話や若いころの話しかできない人は、現在の暮らしに満足していないことが多い。過去を懐かしむばかりで、明日の話ができない人は、進歩や進化をしていない可能性がある。昨日は今日のために、今日は明日のためにある。弱気になったとき、自分も過去を懐かしんでいないか、ときどきセルフチェックしよう。

3、他人の幸せを喜べる人

「他人の不幸は蜜の味」と感じる、さもしい人間がいる中で、相手の幸せや成功を自分のことのように喜べる人は貴重だ。そうできる人は、自身も幸せに暮らしている。もし自分の周りに1人でも該当する人が存在したら、その人は誰よりも大事にしよう。いつも味方になってくれるあなたの親と並ぶ、価値ある人だ。

4、人の痛みを肌で理解できる人

人間は、実際に自分自身が経験したことでないと深い理解ができない面がある。人が受けた苦しみや心の痛みを肌で理解し、共有し、その解決に向けて動いてくれる人が傍にいるとしたら、あなたはとても恵まれている。人の価値は、自分が苦境にいるときほどわかる。

5、向学心が旺盛な人

仕事が定型業務の人にありがちだが、仕事とはパターン化するものだと錯覚し、自身の能力向上に取り組まない人がいる。いずれこうした仕事はAIやロボットに代替されてしまうことに気付いていない。代替できない新たな業務や非定型業務にいつでも就けるように、絶えず自分のスキルを高度化しようと取り組んでいる人と関係を強化しよう。

そういった人に会うと、優越感に浸ったり自慢していたりする自分がいたら要注意だ。また、上から目線でしか人と付き合えない自分がいたら、実力のある友人や知人に恵まれていない証左になる。