優れた人物を産み、同じく歴史に名を残した女性の1人といえば、イギリスのヘンリー8世(1491~1547)の妻、アン・ブーリン。ヘンリー8世は、生涯で6度も結婚しましたが、世継ぎの王子を産まない妻たちを次々と離縁、または処刑。アンも王子を死産したので、でっちあげの罪を着せられて斬首されました。しかしそこからが歴史の皮肉。アンが産んだヘンリー8世の娘エリザベスが、のちのイギリス女王、エリザベス1世となるのです。
アン・ブーリン
イギリス●1501ごろ~1536
処刑2年前の肖像画とされる。特別美女ではなく良い家柄の出身でもないが、フランス宮廷で身につけたあか抜けたしぐさなどでヘンリー8世を魅了した。イニシャル「B」のチョーカーもおしゃれ。
【光】処刑直前でも慌てず騒がず。夫ヘンリー8世を祝福したが、最後まで恩赦を期待していたとの説もある。
【影】王の元恋人だった姉妹が簡単に捨てられた。男の残酷さも移り気なのも知っているのに、王妃の座に執着した。