2023年末にステージ4の膵臓ガンであると公表した経済アナリストの森永卓郎さんが約1年後の今年1月下旬に亡くなった(享年67)。病気公表後には、多くの人から大量のメールなどが殺到。治療と執筆に全精力を傾けていた森永さんはどう対応したのか。著書『森永卓郎流 生き抜く技術 31のラストメッセージ』(祥伝社)より、幸福な人生を送るためのコツを紹介する――。
インタビューに答える森永卓郎さん
写真=共同通信社
インタビューに答える森永卓郎さん(=2018年10月)

ガン公表後に殺到した2000通のメールとお届けモノの中身

私は誰とでもオープンに付き合うようにしているが、もちろん、無制限に付き合うわけではない。たとえば、ガンの発覚後、私のところには2000件を超えるアドバイスのメールがきた。

私はそうしたメールに1回だけは返信をしたが、さらにメールのやり取りを続けたいとか、直接話をしたいという人が結構たくさんいる。

そういう人に対して私は、「ギャラを負担してくれるなら、やり取りを継続する」と伝えている。料金は、メールが1回1万円で最低10回分セット、直接の会話は1分あたり4000円で最低30分からだ。高いと思われるかもしれないが、毎月100万円以上の医療費を投じて延命し、生み出した時間を提供するのだから、私は高いとは思っていない。

ただし、この条件を示した途端に99%の人が、その後の連絡を自主的に絶ってくる。

「森永さんの命を救うためだったら何でもします」

そういった彼らの言い分が真っ赤なウソであることがすぐに判明してしまったということである。