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ウグイス嬢と食事や休憩をともにする

選挙の花といえば、遊説車でマイクを握るウグイス嬢だ。ウグイス嬢には、候補者のファンになってもらうために、候補者の人柄や、政策を徹底して理解してもらうように努め、可能な限り、候補者とともに食事や休憩をしてもらう。遊説車という同じ空間で選挙戦を戦うと、共闘感や一体感が生まれる。すると、選挙の終盤戦で、自然とウグイス嬢は涙ながらに、鳴いて(泣いて)訴えてくれる。世の男性は女性の涙に弱い。

選挙事務所は、女性が多いほどムードが盛り上がる。お茶出しやチラシの準備、接客などは、まさに女性部隊の活躍の場だ。だが仕切りが悪いと、「お手伝いに行きたいのに、誘われない」「私を誘ってくれない」といったことから始まり、これが高じると「あの人と一緒じゃ、イヤだ」という状況が生まれる。こうした事態を避けるには、女性のリーダーを必ず把握し、当番表をつくってもらい、より具体的なお願いをすることだという。

ポスター写真は、何より好感度を重視する

選挙用のポスターは候補者のイメージを伝える重要な役割を果たす。昔のように、免許証の顔写真のようなポスターは減っており、目線をはずして撮影したポスターも登場している。だが、有権者によっては「横を向いている」「そっぽを向いている」ととらえる人もいるという。

ポスターだけを見て投票するかどうかを判断する人も、政策をじっくり読む人も、実は同じ1票だ。画像では、何よりも好感度を重視する。チラシや後援会報を制作する際には、専門用語や横文字はきちんと解説し、中学生でも理解できるレベルの文章にすることが欠かせない。

受けた恩は、死ぬまで忘れない

ある代議士は、初めて選挙に出馬した際、「どの派閥から出るのがよいか」を先輩代議士に相談した。のちに総理大臣となった大物代議士のグループから出馬するのがいいと助言された。助言通り、代議士はそのグループから出馬した。

初選挙では、代議士は残念ながら落選してしまった。落選の報がテレビで打たれたとき、一番に電話をくれ、「これで挫けず、次の選挙に出れば必ず当選するからな」と励ましてくれたのが、親身になって相談に乗ってくれた先輩代議士だった。その先輩代議士こそ、田中角栄氏だったという。出馬した派閥の親分からは、何も連絡はなかったそうだ。代議士も、秘書も、受けた恩は死ぬまで忘れない。

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