▼社風や社員の人柄を見極めるために志望企業の社員訪問は何度でも出かけます
――理想の上司像、嫌な上司像というのはありますか。
【前田】ちゃんと一人一人を見ていてくれる人がいいなと思う。インターン中のグループワークであまり話せなかったのですが、後で社員の方からあなたのここを直したほうがいいよとか、あなたの強みはここだと、自分が気づかないところをフィードバックしてもらったときは腹に落ちたし、あまりしゃべれなくても見ていてくれる人がいたと思って、本当にうれしかった。そういう上司ならいいなと思います。
【滝川】入社1年目で転職を考えながら働いている先輩も少なくないですが、その原因は上司との人間関係だったりします。やはり周りに相談できる人がいるかどうかが大事。上司とのワン・オン・ワンの面談が制度としてあるとうまくやれるかなと思うけど、実際は入ってみないとわからないところがあり、不安もある。
【高橋】接客業のバイト先に横暴な女性上司がいました。お客さんに聞こえるような声で「てめえ、早くしろよ」と言われてびっくり。そんな人が上司だったら嫌ですね。正しいことを指導するために厳しくするのはいいけど、独りよがりで叱ることはやめてほしい。たぶん女性の中では、男性上司より女性上司のほうが苦手という人が多いんじゃないかな。
【前田】女性上司でも同性に厳しい人はちょっと嫌ですね。ウチの大学のある女性教授は、なぜか女子学生に厳しい評価をつける(笑)。会社に入っても「何、甘えてるの、私たちは大変な時代を生きてきたのよ」と、私たちの知らないことを言う人は嫌ですね。私もそういう人にはなりたくないと思う。
【杉原】結局、どこを選ぶかというと社風かなと思う。もちろん、これが社風です、と言えるものはないと思うし、逆にこれが社風ですと言われると信用できない。社員の方と会って自分自身が感じるしかないと思って、1社最低3人の社員と会ってどういう社風なのかを判断するようにしています。
【高橋】就活中の友人に100人のOB・OGに会った人がいます。1社で最低10人には会っている計算。長く働いていくことを考えると、それは大事にしたいところですよね。
採用コンサルタント
武石恵美子
法政大学 キャリアデザイン学部 教授
撮影=amanaimages、伊藤菜々子、遠藤素子