※本稿は、山崎康晃『約束の力』(飛鳥新社)の一部を再編集したものです。
「高い目標」と「近い目標」を立てる
誰に教わったわけでもないのだけれど、僕は小学校の頃から「こんなふうになりたい、あんなふうになりたい」という目標をいつも紙に書いてきた。
目標の立て方は2通り。1つは漠然とした高い目標(つまり、夢)と、もう1つは手が届きそうな目標だ。
小さい頃からの高い目標は、「プロ野球選手」。
一方で、「このプレーをできるようになってやろう」だとか、手が届きそうな目標を設定しては、達成のためのアプローチ方法を考えるのが大好きだった。
小さい心はいつもワクワク。結果が出ると少しの自信を感じ、次の目標をまた少し高く掲げる。
中学時代は、帝京高校入学という高い目標のために、「中3で140キロを超える球を投げる」と具体的な課題を設定して、それをクリアできた。
ダメだった時に大事なことは3つ
でも、すべての目標が達成できたわけじゃない。「高校卒業でプロ野球選手」を実現できなかった僕は、一時、目指すべき場所を失った。
結果が出なかったときに大事なことが3つあると僕は考えている。
まず1つめは、そこまでのアプローチは絶対にムダにならないということ。体得したことが、あとで生きてくるのだ。
2つめは、再チャレンジするために、自分が目指せる目標を設定し直すこと。そうすれば、違う道を通ることになっても、高い目標へとまた届くことができる。
亜細亜大では、「ドラフト1位で指名される」と、高校3年の時よりも上の目標を掲げた。大学3年になって自信がついてからは、「プロ野球で活躍するためにはどうしたらいいのか」という具体的なアプローチにも変わっていった。
3つめは、目標に届かなかったことを認める素直な気持ち。
帝京、亜細亜大では、自分よりもレベルの高いピッチャーたちを目にして、相手を認めることを覚えた。僕が同じボールを投げようと思っても無理がある。
だったら、自分自身を磨きいい投手になるために、何か参考になる技術を盗みたい。教えてもらいたい。
その中でほんの小さなことでいい。何か1つ勝るものがあればいいと思っていた。