命を預かる責任の重い仕事

現在、女医7人と訪問看護ステーション「ジャンヌ」の看護師5人で病児保育をバックアップする。

病児保育を始めて思うのは「働く女性はすごいな」ということ。

「地方から出てきているママが複数の子どもを育てて、全員風邪をひいたらもう大変。そういうママをサポートできるのでやりがいがある」

子どものお世話も純粋に楽しい。

「小さな子どもが『今日はこの人に見てもらうしかないんだ』と頑張っている姿を見ると、たくましいなと思います。もう1度子育てさせてもらっているようでありがたい」

やりがいのある一方で子どもの命を預かる責任の重い仕事でもある。その分、研修は厳しい。

「現場デビューするまでの2~3カ月間は毎日、マニュアルに沿った適切な対応を叩き込まれます」

月、水、金は本部で研修が開かれていて、宮澤さんも病児保育の依頼のない日などには参加する。

「病気やアレルギーについて看護師さんから教えてもらったり、研修チームから子どもが退屈しない遊び方を教わったり。子どものタイプはさまざまで学ぶことに限りはありません」

03年に駒崎弘樹代表ら4人によって設立された認定NPO法人フローレンスは親子に関わる社会問題解決を掲げ、日本初の訪問型病児保育事業をスタート。その活動は小規模保育、障害児保育、赤ちゃん縁組事業へと広がった。そこに集う人たちは一般企業に比べると実に多様だ。多様性は組織ビジョンでもある。