性的マイノリティも受け入れる多様性の風土

フローレンスが障害児保育を始めると知り、3年半前に転職してきた明智カイトさんは、履歴書に性的マイノリティであると書いて応募した。学生時代に障害児保育を学び、保育や介護などの福祉に興味があった。しかし今から20年前。当時は男性の保育職や介護職はハードルが高く、医療事務の会社に入る。35歳を過ぎ、もう1度、福祉をやりたいと、働きながらNPOでボランティアをするようになった。

(左)働き方革命事業部 橋本吉央さん(中)日本病児保育協会 明智カイトさん(右)働き方革命事業部 甲斐綾子さん

フローレンスは多様性を受け入れる風土があると明智さんは言う。

「前の職場では自分のことをまったく言えませんでした。今は性的マイノリティに理解がありますから話していても安心感があります」

しかし当初、LGBTを正しく理解している人が少ないのが気になった。

「レズビアンやゲイとトランスジェンダーの違いがわからず、L、G、B、Tがごっちゃになっていました」

そこで自らLGBTの研修を提案し開催してきた。

「研修してからはLGBTそれぞれの特性がすんなりと受け入れられるようになり、私もとても楽になりました」

また明智さんは、異性婚を前提にした就業規則を変更する提案も。

「同性婚の規定を新たに加えてもらいました。ふつうの企業であればそう簡単に変わらないでしょうが、フローレンスは提案すると驚くくらい早く変わります」

今、確かな知識とスキルを持った病児保育の担い手を育てる事業を担当する。

「病児保育が職業として認められるためには、やはり病児保育を体系的に学び、それを認定する制度が必要です」

明智さんにとってフローレンスは安心して働ける職場であるとともに、社会問題を解決できるという面白みを感じられる場所でもある。