定時退社+副業で力をつけては?
【桜田】そうですよね。また先ほどの「業務範囲」の話に戻すと、ベンチャーは若手を育てるリソースも少ない。おのずと私のような経験がある人が教えることになりますが、人を育成する仕事は給料にプラスされるのか気になります。
【後藤】確かに。私も以前、IT会社で営業をしていたときは、パートナー企業の仕事を取ってくる責任も負っていたので寝ずに働いていました。総合職は、取引先にも振り回されやすい。
【桜田】広報の仕事の場合、メディアが相手ですから、勤務時間が長い彼らにどうしても時間を合わせなくてはいけない。
【後藤】私は欧州のように、政府が勤務時間規制をすべきだと思います。週35時間などで区切ってしまう。すべての仕事がそうなれば、取引先に振り回されずにすむ。
【桜田】それは現実的ではないと思いますね。私は、コース分け人事をしたらいいと思います。仕事で自己実現したい人は、働けるだけ働く基幹社員として勤める。決まった時間で働きたい人はプロコースを選択するとか。
【青山】ウチの会社はすでに、コース分け人事をしていますよ。
【後藤】私はみんなそこまで働くことはないと思うんですよ。だって、無制限に働くコースを選択したら子どもをつくり育てることもできない。だいたい、日本人は家庭が二の次になりすぎだと思いますね。だから家に居場所のないオジサンが長時間残業してしまう。
【桜田】銀行や証券会社にはそんな人がゴマンといました(笑)。
【青山】ただ、長時間労働をやめるためには生産性を高めなくてはいけないですよね? そうなると、仕事が何もできない若手は困りますよ。ノー残業となるといつまでたってもスキルが身につかない。
【後藤】そういった若手の教育の機会を増やすことは大切。そしてもっと力をつけたい、働きたいという人は、副業をしたりしてほかの企業や団体で自分を鍛える。若い人にこそ、社外の経験を増やして真の実力をつけてほしいです。
「同一労働同一賃金」について下記により要望いたしますので、よろしくご配意賜りますよう、切にお願い申し上げます。
(1)労働時間の制約と業務範囲の明確化が必要です
労働時間の上限を週35時間~40時間と制限し、業務範囲を特定するなどして労働生産性を上げることが第一優先です。
(2)「出世コース」と「ゆるコース」を選べる仕組みに
コース別にすることで業務範囲を明確にし、それに見合った報酬を支払う仕組みの導入をお願いします。その際、ライフイベントに応じて選択・変更できることが大切です。
以上 座談会参加者 一同