福岡では大学より「高校の人脈が物を言う」(地場企業社長)とされる。転勤族もうまく溶け込めば、芋づる式にキーマンを紹介してもらえるかもしれない。しかし、楽観は禁物だ。いわゆる「進学校」には微妙なライバル心がくすぶる。心のシャッターを閉じられないためには、何が“地雷”か知っておく必要がある。そこで、OBたちの覆面座談会を敢行すると、意外なNGワードが……。
※当記事はqBiz 西日本新聞経済電子版の提供記事です
天神の屋台に7人が集まった
冷静に真相のみを語り合う必要があった。そこで、あえて、気分が沈みがちなゴールデンウイーク明け初日の5月8日(月曜日)に会を開いた。
福岡市・天神の屋台。久々の仕事を終えた夜、「顔は写さないでよ−」「俺は後ろ姿でばれるやろ」などと不安を吐露しながら、男性5人、女性2人の計7人のOB、OGたちが集まった。
メンバーは、新聞記者を経験した人脈が広い50代の管理職が中心。20代の若手もいる。取引先など利害関係で「物言えぬ」状況を避けようと、新聞社内で声を掛けた。
4地域(北九州、福岡、筑後、筑豊)に分かれる福岡県。さらに「学区」が13あり、県立の場合は、自分の住所地が含まれる学区内の高校しか受験できない。これは、全ての都立高、府立高を受験できる東京、大阪と異なる点だ。
学習塾の英進館によると、「ラ・サール(鹿児島)や久留米大付設(福岡県久留米市)など超難関校を目指す流れの一方で、県立の各学区のトップ校を狙う動きも盛ん」(上尾宏取締役教務本部長)とされ、今回集まったメンバーの出身校はそれぞれの地域、学区で「特に入学希望者が多い人気校」(同)だ。それは。
北九州…小倉、東筑
福岡…修猷館、筑紫丘、福岡
筑後…明善
筑豊…嘉穂
特に、福岡の3校は「しゅうゆう」「がおか」「ふっこう」の愛称で親しまれ、「御三家」と呼ばれることも。屋台では、申し合わせたかのように、御三家の出身者が並んで座った。
最近は、福岡県出身者で初のノーベル賞(医学生理学賞)受賞者となった東京工大栄誉教授の大隅良典さんの母校として、福岡高校が注目されている点も頭に入れておきたい。
そんな下地を押さえた上で、座談会スタート。最初の質問はこれだ。