橋本さんによれば、大学時代の友人たちもまた、同レベルの高学歴同士で結婚したケースが多いという。学生時代から付き合いを始め、卒業とともに結婚というケースも少なくない。

「私の周囲では、女性の7割が同じ東大卒の相手と結婚しています。あとは早稲田なら数例います。職業は、弁護士とか公認会計士、官僚が多いですね。それ以外の大学となると、受験で滑り止めにもしないので、どの程度のレベルか正直わからないんです。マーチ?……って何ですか? そういえば、高卒で、高級和風料理店で修業したシェフと結婚した人もいましたが、稀なケースですね」

東大卒の女性が結婚する相手の学歴ボリュームゾーンは早稲田まで。それ以下でも可能性があるとしたら、手に職のある限られた男性ということになる。

図10・11・12
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図10・11・12

調査でも、好きな相手が低学歴だった場合、それをカバーする条件として、教養、高年収、専門スキルが「愛」よりも上位にきているのと一致する(図10)。

彼女たちは、相手をふるいにかけたわけではない。「同じ価値観」の相手を選ぼうとすると、自然と相手も高学歴になってしまう。

橋本さんは、小学校から私立に通い、中学・高校は桜蔭で学んだ。

「子供ができたら、自分が受けたのと同レベルの教育を受けさせてあげたいんです。そのためには、ある程度収入が必要ですし、その価値観をわかってくれる相手でなくてはいけません」

その意味でも、それまでの「育ち」も含めた学歴のバランスが、結婚生活にもかなりの影響を与えるといえるかもしれない。調査でも、既婚・未婚とも、女性の約6割が学歴の組み合わせが恋愛・夫婦関係に影響すると答えている(図11)。

橋本さんは学生時代を振り返って言う。

「同級では、父親が大企業の役員や第一線の研究者など、経済的に豊かな家庭が多かったですね。そんな中で、高専から編入してきた男子学生がいて。借金してまで無理な背伸びをするので、それがイタイタしく見えたのを覚えています」

※調査概要:gooリサーチと共同調査を行い、インターネットを通じて40代の男女1978人から回答を得た。男女、既婚・未婚の割合は均等。調査期間は2009年8月14~16日。

(田辺慎司=撮影)