さらに、かつての主力コンビニ利用層以外のニーズにも着目し、「女性に食べやすいラーメン」も開発した。

「たとえば会社勤めの女性など、職場でコンビニラーメンをすするのに抵抗がある人もいます。そこで、女性の手にも持ちやすい小型のパッケージを開発し、野菜を多くトッピングしたヘルシーなラーメンをつくりました。スープは低脂肪の豆乳をベースにし、麺の量も従来の3分の2と少量」(同)

女性向けに開発された「Vege白湯」はタンメン、担々麺、トマト鍋とシリーズ化され、リピーターも多い。

このように売り上げ好調なファミマのラーメンだが、実は今回、冬バージョンが店頭に並ぶという。膨大な商品数を抱えるコンビニで、すでに大いに売れている商品をなぜわざわざ改良するのだろうか。

「人間は、気温、天候、季節によって味覚が変わる生き物です。気温の高い夏には、さっぱりした冷やし中華が食べたくなる。気温が低い秋や冬には、しっかりした味のものが食べたくなる。だから、今あるラーメンを冬バージョンに改良するのは必要なことなんです。冬バージョンはスープガラにこだわり、濃厚な旨みで味に深みを出し、寒い時期にピッタリの味わいに仕上げました。

売れない商品を見直すのは当然のことで、誰だってやっています。でも、売れている商品に対しては『売れているから大丈夫』と油断しやすい。でも実は、もっともよく売れるものこそ、細心の注意をはらって改良していく必要があります。売れているということは、多くのファンがついているということだからです。私たちは、多頻度で食べられている商品にこそ敏感にならなくてはいけない。せっかくのファンに飽きられてはいけないんです。

何度食べても『おっ?』と新鮮な驚きと喜びを感じてもらえなければ、私たちの仕事は成り立ちません」(同)

(原 貴彦=撮影)
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