上司には常に「御意」の姿勢が必要?
こういう上司に仕えるのは骨が折れるものだ。
部下の中には優秀で正義感の強い人ほど口答えしようとする人もいる。しかし、それは危険だと語るのはゼネコンの人事部長だ。
「高い成果を上げて、周囲からも信頼の厚い部下が上司の考えに異を唱えることもあります。そういう部下をよく言ってくれたとかわいがる上司もいますが、強烈な個性を持って引っ張っている上司には嫌がる人もいます。そんな部下は会社にとっては貴重な人材なのですが、上司は自分の地位を脅かす存在として排除しようとするものです」
トランプ氏はインタビューで「僕は過去にこだわらない。そこが気に入らない人もいる。僕は未来のことを考えている」と答えている。
前言撤回、朝令暮改は当たり前のことなのだろう。
そのために敵も多く、警戒心を怠らない性格かもしれない。ではどのように接していけばよいのだろうか。
「やたらとゴマをすり、忠犬のようにすり寄る人もいるが、かえって鬱陶しがられることも少なくありません。そうではなく上司との距離を保ちつつ、付かず離れずの立ち位置を維持する。大事なことは目障りにならないようにさりげなく接すること。仕事の実務面で頼りになるという存在感を示し、自分の手柄であっても、さりげなく上司の手柄という形に持っていけるタイプが好まれます」(ゼネコン人事部長)
上司の意見に逆らうことなく、何事も「御意」の姿勢を貫きつつ、有能なブレーンであることに徹することが大事だということだろう。
この上司が出世していけば引き上げられるチャンスがあるかもしれないが、トランプ氏のようなオーナータイプが日本的大企業の組織で社長になれるとは思えない。いつか見切りをつける時期がやってくるかもしれない。