――「プレジデント ウーマン」の読者が、労働時間を減らすために今日からできることって何でしょう?

【小室】この国の現状をしっかり把握することが第一歩ですね。読者アンケートでは、「長時間労働をいとわずに会社に貢献したい」という声もあります。でももうすぐ団塊の世代が70代に突入し、「誰かの介護をしながら働く」時間制約付き社員だらけになるのです。そんな大介護社会では、残業するのが前提の働き方は続けられないんですよ。管理職の残業が多いという回答もありましたが、その管理職の働き方がチームの長時間労働の原因になっていることも多い。まずは管理職から働き方を変え、早く帰ることが大切。

【白河】持続可能な働き方を考え、実践していくことが、会社に対しても一番の貢献になるでしょうね。

(構成=長山清子 撮影=干川修)

少子化ジャーナリスト 白河桃子
慶應義塾大学文学部社会学専攻卒。山田昌弘中央大学教授とともに「婚活」を提唱。婚活ブームを起こす。女性のライフデザイン、キャリア、不妊治療、ダイバーシティなどがテーマ。2015年一億総活躍国民会議の民間議員に選出。『女子と就活』(中公新書ラクレ)、『「専業主夫」になりたい男たち』(ポプラ新書)など著書多数。
ワーク・ライフバランス社長 小室淑恵
2006年ワーク・ライフバランスを設立し、残業ゼロ、有休消化100%で増収増益を達成。900社以上にコンサルティングを提供し、残業を削減して業績は向上させるという成果を出している。14年9月、産業競争力会議の民間議員に。『女性活躍 最強の戦略』(日経BP社)、『労働時間革命』(毎日新聞出版)など著書多数。

長山清子=構成 干川 修=撮影