採用の意図をこっそり確認してみる
もう一つ。あからさまに個性が際立っている人材は、採用の意図が明確にあるはずです。それを人事担当者にこっそりと確認してみることを、ここではお勧めしておきます。
例えば、人とはうまく接点が持てないけども、スキル的には目を見張るものがあるという人の場合。その“目を見張る部分”を評価し、そこに企業としては期待しているのに、結果的にその部分ではないところを指摘され、修正され、結果的にあらゆるものがスポイルされていく、という事態は当然避けなければなりません。しかし、採用の意図を理解しない現場担当者は、そういう人材は使いにくいと思い込み、最後には潰してしまいかねません。
今の時代、「多様性」という言葉が大きく取り沙汰されています。組織には多様性がないとダメなのだと。ただ、現実にはそれはとても難しい。多様性のある組織作りとは、そこに属する組織のメンバー全員にとって「普通に考えて」や「常識だろう、それ」というセリフを捨て去る覚悟を求められる、ということでもあるのです。
就職や転職、若手社会人のキャリア開発などの各種サービスやウェブサイトのプロデュース、ディレクションを、数多く&幅広く手がけている。直近は、企業の人事が持つ様々なデータと個人のスキルデータを掛け合わせることにより、その組織が持つ特性や、求める人物像を可視化、最適な配置や育成が可能になるサービスを作っている。リクルートワークス研究所『「2025年の働く」予測』プロジェクトメンバー。著書に『就職のオキテ』『会社のオキテ』(以上、翔泳社)。「人が辞めない」という視点における寄稿記事や登壇も多数。