会社を辞めなかった理由
アルバイトから入って24年間のうちには、会社を辞めようと思ったこともあります。
最も心が揺れ動いたのは30歳頃です。ファストファッションがどんどん伸びてきて、安いだけでなくファッション性も高まっていたとき、いろんなところからスカウトが来ました。一度、ユナイテッドアローズの外からファッション業界を見てもいいのではないかと思い始めていました。
単純に自分の成長のために一回転職してみるのも悪くないと考えたのです。
転職しようと思っていることを、創業者の重松に話しました。すると「あなたは転職すれば1のブランドを1000のブランドにできるかもしれない。でもボクのやりたいことはゼロのブランドを1にすることなんだ。そのためにはあなたが必要だから、同じ思いを持ってくれるなら残ってください」と言われました。
その言葉が私の心に響きました。ユナイテッドアローズは大きくなりましたが、高校生のときに出合ったお店とコアのところは同じなんですね。
●山崎さんのキャリア年表
1973年(0歳) 福岡県生まれ
1993年(19歳) 学習院大学在学時に、ユナイテッドアローズにアルバイトとして入社
1996年(22歳) 同社入社、販売促進部に配属
2002年(28歳) 広告宣伝部にてコーポレートコミュニケーション担当
2005年(31歳) 社長室広告宣伝課にて広告宣伝統括担当
2008年(34歳) 経営開発本部経営企画部部長
2010年(36歳) 執行役員 経営企画室長
2014年(40歳) 執行役員 経営戦略本部副本部長 兼 経営企画部部長
2016年(42歳) 執行役員 UA本部副本部長 兼 販売推進部部長
構成=Top Communication 撮影=向井 渉