その日その時の相手に応じて機転を利かせて動く彼女たち。「こんな気の利かせ方があったのか!」と、思わずうなってしまう気配りとは? 前編では、「名刺・雑談・接客・キャンセル・電話」の5つの気配り術ををご紹介。

【1.名刺】役職や連絡先を常に最新に更新
●グランド ハイアット 東京 総支配人 秘書・山田佳代さん

ホテル業界ではお客さまが最優先。これまでの秘書時代には、経営トップが個人のエンドユーザーと直接相対することは少なかったのですが、ラグジュアリーホテルの総支配人が応対するお相手は、企業の方から個人のお客さままで、とにかく幅広いのが特徴です。

仕事柄、いつどこで誰と会うかわからないので、上司もたいてい名刺を持ち歩いていますが、イベントなどの際には、私も予備として上司の名刺を持っていくようにしています。

国内外、個人の方まで含めれば、異動や転職をされる方も多いので、いただいた名刺はその方との重要な接点。履歴をさかのぼれるように分類・整理したり、日常的にやりとりする方については、役職や連絡先など、最新情報を更新するよう心がけています。

【写真左】グランド ハイアット 東京 総支配人 秘書・山田佳代さん/外資系企業でキャリアを積み、社長秘書などを経験。2012年、総支配人秘書として同ホテルに入社。最初の上司に言われた「エレガントであれ」を今も心がけている。【写真右上】名刺はすべて保管し、履歴をたどれるよう管理している。【写真右下】「裏方に徹する」ため、手帳、ペン、名刺入れも黒に統一。
【名刺の気配り3つのポイント】

●目をあわせて挨拶
名刺交換は、初めてお会いする方との挨拶の機会。つい名刺に気を取られがちになるので、きちんと相手の顔を見るよう心がけます。
●日付を記入して保管
上司が受けとった名刺は日付スタンプを押してファイリング。面会履歴をたどることもあるので、古い名刺も全てファイルに保管します。
●顧客情報はPC管理
上司が頻繁に連絡を取りそうなクライアントは、メールソフトのアドレス帳に入力。相手が異動や転職などをした際は、速やかにアップデート。