企業の人事採用担当が、こっそり教えるココだけの話。欲しい人材、採用を見送る人材とは? 子どもの有無、年齢は評価ポイントにどう響く? 異業種4企業の人事採用担当者たちに覆面座談会でホンネを語ってもらいました。
▼【前編】はこちら→http://woman.president.jp/articles/-/1156
チームにサポートしてもらった経験のある人は採りたい
――企業側が採用したいと思う、人物像を教えてください。
【食品】ポジションにもよるが、人柄的には一匹狼より、チームで働くことが多いから一緒に何かをつくれる人、チームワーク力がある人がいい。もうひとつは指示を待って動くのではなく、セルフスタートができる自立した人。この2つがないと厳しいかな。でも面接でこれを見抜くのは実に難しい。ハズレることもあるしね(笑)。
【製薬】辞めた人の後釜として採用する場合は、スタッフの組み合わせが限定されるので、その職場や上司と性格的に合う人を採用する。逆に能力は高くても、人と人の組み合わせを考えて、よくない化学反応が起きそうな場合は採らないな。
【精密】精神的にタフかどうかは見ています。たとえば、採用したある女性は海外から英語しかできない外国人の夫と帰国し、お子さんが2人いた。「お子さんがいますよね、時短勤務でもいいのですが」と伝えると、「主人と話をして子育ては彼がやると決めましたから、私がしっかり働くんです」とキッパリと言った。人事としても彼女が活躍してくれれば後輩女性のいいロールモデルになるだろうと考えました。既婚で子持ちでも、背負っているものが大きく、覚悟もしっかりしている人なら相当ハードでも辞めないだろうと思い、採用した事例ですね。
【IT】これまでの経験上、やはり素直な人が転職後も成功しています。素直に周りの人に相談できたり、助けを求めることができる人です。周りからどんどんサポートしてもらえる状況をつくれる人。愛されキャラというか、甘え上手なタイプかな。ふだんは聞けない先輩の暗黙知を吸収し、あっという間に成績が伸びる人もいますね。
【製薬】面接でも周りにどうやって助けを求めるのか、周囲を巻き込んで成果を挙げてきたのかを確認する。すごい成果を挙げてきたのに、そのことを自慢げに話さない人を採用するとうまくいくね。成果を挙げるテクニックは持っているが、一人では無理だと自覚し、仲間やサポーターをいかにたくさんつくるか工夫し、それが結果的に自分に返ってくると気づいている人は買いだ。