「もう少し会社が大きくなるまで、男性しか採用しない」こう考える中小企業の人事担当者は男女とも少なくありません。理由はシンプルですが、解決するにはどうしたらいいのでしょうか?

一定規模に達しないベンチャー企業の採用担当者と話をしていると、次のようなセリフを耳にする機会が少なくありません。

「もう少し、会社が大きくなるまでは、男性しか採用しないという方針でいいような気がする、という話になってしまうのです、どうしても」

人事担当者の本音

これ、別に男性の採用担当者が話しているわけではありません。女性の担当者であっても、こうしたことを考えている人は意外に少なくない。当然のことながら、表立ってそんな話をする人たちはいません。そして、本心から思っているわけでもなく、結果としてそういう採用をしているわけではない。

けれども、心のどこかで「女性に働いてもらう」ということの難しさを、企業の人事担当者たちは痛感している、ということに他なりません。

理由はシンプルで、男性と比較して、女性の仕事は「ライフイベント」に左右されることが多いからです。例えば、入社時の面接の時に「結婚しても、ずっと働き続けられる御社に入りたい」と言っていても、結果として結婚・出産したら退職してしまう、という感じでしょうか。もちろん、それが悪いとか、そういうことは止めてくれという話ではありません。ただ企業から見ると、不確定要素の高い人(=女性)を雇うことにリスクを感じているのは事実です。

こう言うことを書いてしまうと「そんな企業は、もはや時代遅れで少ないはずだ」とか「ベンチャー企業ほど、女性活用に熱心じゃないか」という声が聞こえてきそうです。かつてと比較すると、そういうことを考える企業が少なくなったのも、皆さんは肌で感じているはずです。

しかし同時に、ライフイベントに働き方が左右されるのは女性、という状態にそれほど大きな変化がないことも実感しているのではないでしょうか。結婚したから仕事を辞めて家庭に入るという男性はほとんどいません。ほとんどいないからこそ、たまに出現すると、ニュースとして取り上げられるのです。