アイデアにはそれぞれ「誰が実践できるか」も明記されており、企業の実践例も紹介されている。「Women Will」では、そうした実践的な企業や自治体、団体など、をサポーター企業と呼んでいる。

「午後5時が近づくと保育園に子どもを迎えに行かなくちゃ、とソワソワして仕事が手につかなくなってしまう、という声がありました。北海道のある企業はそうした働くママのために、迎えに行った後、職場に子どもを連れてきてもいいようにした。言葉で伝えるだけではなくて、床に子どもが寝転べるフローリングにしました。たったこれだけのことでも、働くママの気持ちは随分と楽になるはず」

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ワークショップでは、付箋で考えを出し合ったり図に描いたりしながら「無意識の偏見」について考える。

日本ではいったん仕事を離れると、再就職するのは難しい。だが、キャリアブランクがあっても潜在能力の高い人材はいるものだ。そうした人材を発掘するために、グーグルは2013年から「gCareer Program(ジーキャリア プログラム)」も実施している。これは5年以上の就業経験があり、配偶者の転勤などさまざまな事情で職場を離れたプロフェッショナルを対象にしたインターンシッププログラムで、期間は16週間。本人の働く意思が明確でグーグルの採用方針と合えば、社員になる道も開かれている。

営業部門で不動産業界を担当する瀬戸川紀子氏も、この「gCareer」を通じて再就職のきっかけをつかんだ。正社員になったのは14年4月。2歳になったばかりの子どもを保育園に預けながら、時短勤務している。

「以前はシンクタンクに勤めていましたが、夫がニューヨークに転勤することになったのと同時に妊娠が判明。いったん退職して、ついて行くことになりました」